2023年のゲームや本、漫画を…と振り返ったときに一番に思い浮かぶのはゼルダの伝説 Tears of the Kingdom(以下ティアキン)です。DLCも発売がなく、一通りの区切りを終えた後は起動すらしていないのですが、あの濃密で夢中になった時間…あれほど夢中になってゲームを遊んだ時間は本当に久しぶりで。幸せな時間だったなぁと振り返っています。
ではでは!今年触れてよかったゲームや本、漫画を振り返る回、始まります。年末年始のエンタメに悩んでいる方のご参考になるか?ならなくてもいい…。
↓去年の
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ゲームの部
文句なしのでごのGOTY(game of the year)、ティアキン。ここ数年の中で一番ではないかな。発売日に有給を取得し、金土日の三日間はティアキンにどっぷりでした。朝起きて、ご飯を食べてティアキンをして、昼ごはんを食べてティアキンをして、夜ご飯を食べてティアキンをして、お風呂に入ってティアキンをして、寝る。そんな三日間。社会復帰できるのか不安になりました。
前作ブレスオブザワイルドを楽しんだ勢として発売を心待ちにしていた本作。その前提があるから人並み以上にワクワクしたこともありますが、本当によかった。
この先に何が起こるのか?何ができるようになるのか?あそこには何があるのか?好奇心をくすぐる要素がこれでもかと散りばめられ、プレイヤーの行動に対するリターンが丁寧に丁寧に用意されている。開始早々お嫁さんと私の攻略ルートに差分が生じてしまう。プレイヤーの数だけ冒険の軌跡が違う。
夫婦でそれぞれ遊んでいたというのも、ティアキンの大きな思い出の一つですね。SNSでネタバレを踏みたくないから人の感想はできるだけ見ないように、自分も進行中の内容を発信しない…でもなんか言いたい!なんか言いたい!という状況下において、「ネタバレの基準が近しい」夫婦間での絶妙な会話が、お互いのワクワクに拍車をかけていました。
ティアキンですごいことがあったから話したいけど夫婦間でネタバレになるし、相手が何を見つけていて何を見つけてないかわからないから本当に何も言えない。すごいことがおきた、という抽象度の高いことをお互い言い合っている
— でご (@dego98) 2023年5月27日
夫婦間で何をネタバレとするかのラインが似てるから助かる
— へなこ (@0zrs0) 2023年5月28日
ネタバレにならない範囲での、例えば「次はゲルド行ってみるわ!」「うおおおー!こっちはリト行く!」みたいな会話が楽しかった。お互いのネタバレに関する感度が近い夫婦、めちゃくちゃ良いでしょ。へへへ。
とある事実にいつのタイミングで気がつくのか。あのアイテムをどういう経緯で入手するのか。人のプレイ記録を見ていても千差万別で、開発側がめちゃくちゃ作り込んでくれた懐の広さの中で悠々と遊ばせてもらいました。
演出やストーリー、新要素ギミック…いろいろな楽しみ要素各論を話しだしたらキリがない。それらすべてのハチャメチャな総合力の高さで私の心を掴んでぶん回してくれたのが本作でした。とある事実に気づいたときの衝撃と、最終決戦におけるプレイヤー心理のブチあげ感は忘れられないなぁ。龍の上でご飯作ったことも忘れられないのだけど。
おもしろ工作でゲラゲラ笑ったのもいい思い出です。
オクトパストラベラー2
おもしろかった記憶はあるのだけど、結局「この主人公で遊びたい!」という最初のワクワク感がなかったのが残念だったのが本作。ただ、各キャラクターのラスボス戦のBGMと展開はよかった。オクトラはボス戦の演出がうまいなとは思う。(戦闘に入った時、さっきまで会話していた人間サイズの敵が戦闘画面で巨大化してるのは笑っちゃうんだけど)
たまたまアグネアを主人公に選んでいたけれど、アグネアのラスボス戦が一番好きです。きぼうの唄の使い方が最高。
オクトラの特徴である、キャラクターごとの固有コマンドと、それが昼夜で切り替わる新要素が上手く機能しなかったなぁという感じでしたね。
あとは、クエストの中で解決したはずの問題が、クエスト終了後は普通に元通りになっていたり。プレイヤーが自由に動ける設計にしているものの、それに対するリターンを感じられない残念さ。この後に遊んだティアキンがまさにそこに満点回答をくれたので、なおさらオクトラ2の物足りなさを感じてしまいました。
本作の「自由にあなたの冒険を!」的な売りポイント、自由に冒険した上でそれに応じたリアクションや展開が用意されている…というのを期待していたのだけれど、「自由に冒険していいけど、特にどんな順番で巡っても変化はありません」が本作の着地点でした。世界観は作り込んでいたものの、8人それぞれの冒険に対しての作り込みはちょっと物足りなかった。
スーパーマリオワンダー
人生で初めて?「2Dマリオの新作を買う」体験をしました。おもしろかったなぁ。詳しくは記事でも書きましたが、複数人プレイするときはそもそものゲーム性がガラッと変わる。一人でステージを攻略していく楽しさと、複数人でワイワイやりながらステージを攻略していく楽しさは似て非なるものでした。ゆるーくオンラインで他プレイヤーと助け合える仕組みもいいですね。この仕組みは天才的だなあ。
SANABI
先程と同じ記事でも触れているSANABI。おもしろかったはおもしろかったけど、これから遊ぶなら翻訳が修正されてからが良いと思っております。難易度調整もあったらしいし、落ち着いたらもう一周しようかな。
大逆転裁判
果たしていつクリアできるのか…(大逆転裁判2の途中で止まっている)
Outer Wildsがスイッチで出た!
あと、ついにスイッチでもOuter Wildsが発売されました!めでたい!任天堂のインタビュー記事がとてもよかったのでそちらを掲載しておきます。
ゲームデザインの要となったのが次の2つでした。
1つ目は、ゲーム中によくあるクエストの発生地点や収集要素を示すマーカーのような、いわゆる「外的な動機づけ」ではなく、純粋な好奇心から生まれる「内的な動機づけ」によってプレイヤーに動いてもらいたいということ。
2つ目は、時間経過によって大規模かつ不可逆的に変化するゲーム世界を作り出すことです。プレイヤーを無理に導いていくのではなく、自然と湧き上がる好奇心を大切にするゲームを作りたいという野望を持っていました。
「Hello! インディー」なぜマシュマロを焼くのか? 『Outer Wilds』開発者インタビュー。 | トピックス | Nintendo
「宇宙探索を始めるぞ」というシチュエーション以外、特段ヒントや目的の明示がされない中で、それぞれの星に残された遺跡、状況の点を自身で探し、点と点を繋げて行く。その体験のおもしろさ。孤独ではあるのだけど、点と点がつながるときの快感をぜひ味わって頂きたいです。
小説の部
成瀬は天下を取りに行く/宮島未奈
2020年、中2の夏休みの始まりに、幼馴染の成瀬がまた変なことを言い出した。
コロナ禍に閉店を控える西武大津店に毎日通い、中継に映るというのだが……。
M-1に挑戦したかと思えば、自身の髪で長期実験に取り組み、市民憲章は暗記して全うする。
今日も全力で我が道を突き進む成瀬あかりから、きっと誰もが目を離せない。
それほど多く読めた一年ではなかったです。ただ、「読めてねえー!!!」と発作的な症状に襲われ、本屋に足を運んでポップ買いしたのが本作。成瀬よかった。知らない作者さんの本を読んだのは久しぶり。痛快な主人公がズンズン進んでいく物語。地元滋賀が舞台というのもよき。
まさか続編が出るとは思っていなかったので嬉しいです。一月発売。……すぐじゃねえか!
なんか観光大使になってんな!!?
火星の人/アンディ・ウィアー
昨年末に『プロジェクト・ヘイル・メアリー』を読んでから、すぐに『火星の人』『アルテミス』を読みました。めちゃくちゃおもしれえなあアンディ・ウィアー…。
スケールがめちゃくちゃでかいし、技術的なところの難しさが山程あるのだけれど、一人の人間が思考ダバダバに垂れ流しながら、身近な問題を一つ一つ解決してはトラブルにあっては解決しては。何が起こるのか?これでうまくいくのか?主人公の行動によって何が起こるのか追いかける読書体験。この追体験がめちゃくちゃ良いんですよね。一緒に驚いて、一緒に喜べる。基本的にそういった構造で書かれているからこそ、時に別視点から書かれるようなシーンに切り替わる際のインパクトがデカいんですよね。深くは書きませんが…。
私の敬愛するしんざきさんがアンディ・ウィアーに関しての記事を書かれていたので最後に紹介させてください。ぜひぜひ。
契り橋 あきない世傅金と銀 特別巻(上)/髙田郁
昨年完結した『あきない世傅』シリーズの描き下ろし特別版。またあの人たちの続きの話が見られるのか!と嬉しくて嬉しくて。作中で描かれていなかった視点の話もあれば、まさまさかの後日談。おいおいおい下巻が待ち遠しい~~~~~!!!!
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漫画の部
葬送のフリーレン/山田 鐘人, アベ ツカサ
サンデーうぇぶりで一通り読んでいたのだけど、思い切って全巻買いました。私はこういった静かに丁寧に人の心の動きを書いた作品が好きなのじゃ…。ど派手さはないけれど、今とあの頃が繋がっている、あの言葉・経験が自分の中で生きている様にぐっと来ています。いやあ、まだまだ膨らませる余地が物語に残っていて今後が楽しみです。ヒンメルかっけえなあ…かっけえなあ…と言いながら追いかけている。ザイン再会するかなぁ。
片喰と黄金(完結!)/北野詠一
か…完結した…。めちゃくちゃ好きで追いかけていた北野先生の『片喰と黄金』が完結しました。掲載誌の移籍、媒体の変更といろいろありました。中身も連載も波乱万丈で、最後は思っていた形に落ち着いたのかはわかりませんが、無事に最後を迎えられて嬉しかったです。どういう視点で漫画を読んでるんだ俺は。
過酷さと真摯さと、それでも前に進む芯の強さと。そんな中で不意打ち的に畳み掛けてくるギャグのバランスが良い。北野先生はそれがいいんだよなあ。次回作も楽しみです。
ダンジョン飯(完結!)/九井諒子
か…完結した…!最後の最後まで一貫していた。すごい物語だった。しかしちょこちょこ忘れているところがあったので再読をする。するのだ。
盤王-バンオウ-/綿引智也/春夏冬画楽
今年もジャンプラは安定して面白い作品が生まれまくっていた。……あれっ、バンオウって2022年12月連載開始だった。あ、すいません。この一年ずーっとおもしろいです。バンオウ。つよつよタイプの主人公だけれど、基本的に相手へのリスペクトが溢れている。そんな作品が、私は大好きです。今後ともよろしくお願いします。
エルフ夫とドワーフ嫁/小松良佳
みなさん、世界平和はここにあります。ここです。今、世界平和がここにあります。
読んでいてとても気持ちが良いです。お互いにリスペクトはありながらも、一足飛びに関係性が深まるわけではない真摯さがある。何年経っても大事にしていたいタイプの作品ですね。編集部さん、インディーズ作品から本掲載への転換…あるいは単行本化よろしくお願いします。
サチ録~サチの黙示録~/茶んた
ギャグのセンスとテンポがよすぎる。ぶっ飛んだギャグ漫画かと思えば時々じんわりほっこりさせてくる。この緩急がたまらない。好き。
その他、昨年から推している『マジルミエ』も今年は衝撃展開ありでますます目が離せないし、『正反対な君と僕』も安定しておもしろい。
白山と三田さん/くさかべゆうへい
今年読み始めました。基本的におかしくてぶっ飛んだキャラクターたちがそれぞれの芯をブラさずにズンズン突き進んでいくので、妙な説得力がある。説得力と言うか、読者にドッカンドッカンぶつけてくるので、読者も「おう」と受け止めながら付いていく。全速力で「何いってんだ…」と思わせつつ時々真正面から感動パートをぶちこんで来るので油断ならない。もうすぐ完結っぽいので寂しいですね。
今年もおもしろい シオリエクスペリエンス/長田悠幸×町田一八
毎年言ってますけどシオリエクスペリエンスはずっとおすすめです。はやく読んでくれ。すごいから。
SHIORI EXPERIENCE ジミなわたしとヘンなおじさん | ビッグガンガン | SQUARE ENIX
って最新刊の感想記事書きそびれてるじゃねーか!!最新刊も相変わらずブチあげてきてくれました。まさかの角度からの大噴火で叫んじゃったね。演出の技法がどんどんえげつなくなってきてるんだよな…漫画だからこその表現の限界をどんどん超えてきている気がする。