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ウマ娘の新シナリオが1.5周年の労いと感謝と祝福に満ちていてとてもよかった。

ウマ娘の新シナリオ「つなげ、照らせ、ひかれ。私たちのグランドライブ」がめちゃくちゃよかった話をします。

ウマ娘たちはなぜライブをするのか?」という、ウマ娘が発表された時に多くの人が疑問に思った内容に切り込んでいくシナリオ。

一つ前に実装されたクライマックスシナリオでは「レースに勝つこと」で最強を決めていく…一方でウマ娘独自の育成シナリオ(史実をベースにしたシナリオ)が抜け落ちる内容となっており、ウマ娘のおもしろさの一つってウマ娘自身のストーリーを追いかけながら育成するものじゃなかったっけ?と思いながら、「どのウマ娘でも同じようなレースに出て、強いウマ娘を育成する」感じになっていました。

今回のシナリオが発表されたとき、ライブにフォーカス?また史実置いてけぼりになるのかな…?どうなるんだろう。歌モノみたいになっちゃうのは違うんじゃない??と思っていました。

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今までのウマ娘の育成シナリオは以下のようなものでした。

・URAファイナルズというレースイベントの開催とウマ娘自身の育成シナリオを並走するもの
・アオハル杯というチームレースの開催と、ウマ娘自身の育成シナリオを並走するもの
・最強のウマ娘を決めるトゥインクルシリーズクライマックスで勝つことを目的とするもの

ウマ娘独自のお話と同時に、各シナリオごとのストーリーが存在します。何かを開催しようとする思いと、その間にある苦難…。それぞれテーマは異なるものの、大きな流れは似たようなものがあります。例外としてクライマックスシナリオはウマ娘独自の物語は重視されません。

今回のグランドライブシナリオは、URAやアオハル同様に、ウマ娘独自のシナリオを走りながら、もう一つ大きな目標を達成する内容になっていました。

その上で、タイトルで申し上げたように1.5周年を祝うような特別な意味を持つシナリオになっていました。かつて開催されていた、ウマ娘がみんな主役としてライブの場に立つ「グランドライブ」の復活がストーリーの軸となります。

かつて誰しもが感謝を伝える場として生まれたグランドライブは、その開催規模、負荷の大きさが問題にもなり、その役割はウイニングライブへと受け継がれていた。そして現在、ウイニングライブはあくまで勝者のためのもの。負けた場合はバックダンサーとして舞台に立つ。だからこそウイニングライブのセンターは憧れの場であり、ウマ娘にとってライブとはウイニングライブを指す。

そんな中、誰もが感謝の気持ちを伝えられる場としてのグランドライブも必要だと、ライトハローが立ち上がる。

グランドライブの復活に向けて、スマートファルコンが筆頭となり草の根運動を行う中、サイレンススズカミホノブルボンなどがその現場に遭遇し「自分にとってライブとは?」と考える。

例えばサイレンススズカは、「ライブはレースを応援してくれるファンに感謝をするもの」であり、自分自身の走りとは関係がないと思っている。そして、ファンはどうしてライブで喜んでくれるのかが掴めない。レースでも応援はできるし、姿を見ることができるのに、ファンはライブで何を喜ぶのだろう?そう考えるサイレンススズカに、ファンはこう答える。

スズカに、このファンとのやり取りをさせるのが本当にね…。泣いちゃうよね…。レースを走って終わりではない。ファンにとってライブは「無事に走ってくれてありがとう」「おかえり」と言える場所だと。スズカにとっては「ただいま」と、レースを終えてファンに迎えてもらう場所だと気づく。

一方で、「みんなで歌おう」という舞台に対して、快く思わないウマ娘もいる。「憧れの場所」だったウイニングライブ、「勝って勝利の喜びを、応援への感謝を伝えることこそが!!」と思っているウマ娘にとって、グランドライブのような場所はある意味逃げのような場所なのかもしれない。

この事件で一度グランドライブの存在意義が揺れてしまう中、発起人であるハローの本当の気持ち、そのエゴについてタキオンがズバズバと掘り下げていくのが気持ちいいですね。普段怪しいことばっかりに見えるタキオンは、実に客観的に、実に鋭く物事を見て発言している。彼女もライブが、観客の声援がレースにもたらす効果を体感した一人だから。

自分自身センターに立てなかったウマ娘であるハロー、同時に彼女は「センターに立てなかった先輩」のファンでもあり、先輩が舞台で輝くのを誰よりも願っていたファンだった。

ウマ娘にとって、ライブとは応援への感謝を伝えるだけの場所なのか?ファンにとってライブは、勝利を祝うだけの場所なのか?ウマ娘がファンに伝えたいのはそれだけなのか?ファンが願っているのはウマ娘の勝利だけなのか?それを祝いたいだけなのか??

答えは否。次は勝つとファンへ誓う場所、まだまだ見ていてくれと覚悟を見せる場所。よくぞ走ったと労う場所、これからも応援するぞと背中を押す場所。双方「伝えたいこと」はその人達の数存在する。それらのエゴをぶつける場所があってもいいのではないか。

すっごい流れだな…と思いました。ウマ娘を始めた当初、うまく育成できなくてもリザルトで手を降ってくれるウマ娘に「次はがんばろう」と誓ったこと、「彼女らにうまぴょい伝説を歌わせたい」なんて思いながら育成していたこと、チャンミで負けても「よくがんばった!!!」と出走した彼女らを迎えたこと。プレイヤーとして向き合ってきたことをふと思い出しました。

シナリオの流れがうまいなあと思っていたらもう一つ驚きの展開が。GⅠなどの勝利曲はウイニングライブのものだから使わずに、別の曲を披露しようということで、当時のグランドライブで使われた楽曲をもとにみんなが歌詞を考える…となり、いったいどんな曲が披露されるのかと思っていたらGIRLS' LEGEND Uという展開。これにはひっくり返りました。


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初めてウマ娘のゲームを起動したときにしか聞けない曲(ガチャのシーンとかでBGMは流れてますが…)であり、ゲーム内のライブシアターでも実装されていなかった楽曲。ここで披露するのか!!!!と。

当初「やっとみんな会えたね」は、ウマ娘が発表されてからゲームがリリースされるまでずいぶん時間がかかったこともあり、ついにゲームで遊べる!!という思いに呼応するオープニングなのだと。いい歌詞だなー!こりゃ盛り上がるな!!とシンプルに感動していました。

しかしこのグランドライブで披露されると、いろんな意味と思いが乗っかります。長年の月日を経て開催されるグランドライブであること、レース後のウイニングライブではない場所で素直にファンと向き合える場であること、ウイニングライブではメインをはれていないけど、この機会で「やっと会えた」とも言える場所でもあること。今まで自分のことを知らなかったかもしれないファンに「やっと会えた」と伝えられること。こんなん盛り上がるに決まってるやろ。

そして「キミと勝ちたい」ですよ。キミと勝ちたい…プレイヤーである私が「キミ」なのだと思っていたけど、それだけではない!!!ファンのみんなと!!応援してくれるあなたと!!という熱い想いがズドーーーン!!!!!うわーーーー!!!!俺も勝ちたい!!!!!

ドームライブ、セットや展開を再現するんだろうな…すごいな…

アニメ展開などから数えると1.5周年どころではないですが、ゲームとして1.5周年を迎え、多くのトレーナーがそれぞれのやり方でウマ娘を育成し、レースに出走し、勝ったり負けたりして、ガチに育てる人もいれば、エンジョイする人たちもいる。ウマ娘というコンテンツに対して様々な関わり方をしている人がいる。

1.5周年の節目に、「ライブとはなにか」を考え、結果的に「ウマ娘からファンへ伝えたいこと」「ファンからウマ娘へ伝えたいこと」を伝え合う場なのだという着地で、この温存に温存を重ねた曲を披露してきたことには拍手拍手です。1.5周年を共に祝い合いましょう!!!という開発からのメッセージが伝わりました。

メインシナリオ第一部最終章が完結した際に、スペちゃんの固有発動でこの曲を使ったときも「うまいなー!!!」と思ったものですが、その延長線上にこれがあったのですね。あの前フリもすごく効いていたなと思いました。あれが「特別な曲なのだ」という機運を一層高めてくれていたので。

mubou.seesaa.net

というわけで、シナリオ自身の運びもさることながら、ここでこの楽曲を使う(ここまで温存してきた)設計、今まで遊んできたプレイヤーへの感謝と、これからもよろしくねのメッセージ、お互いよくやってきたよな!という祝宴のようなシナリオでした。めっちゃよかったーーーー。

GIRLS' LEGEND U

GIRLS' LEGEND U

  • Various Artists
  • アニメ
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes