「俺はキミの頑張りを知っている」ということは、応援する側の喜びをブーストさせるもの、いわゆる『ひとしお』となる部分なのだと思います。そこから一歩引いて、「その人の頑張りを応援している人が喜ぶ姿・認める姿」も嬉しい要素になりますよね。(個人の感想です)
スラムダンクで言えば、花道の2万本練習を知っている桜木軍団が、豊玉戦で初のジャンプシュートを決めた時の喜びのような、ハイキューでサーブ練がんばった山口が結果を出したときに「誰よりも練習していたんだから(当たり前でしょ)」とツッキーが評した時のような。ベイビーステップで一緒にキツい練習をしてきたエーちゃんをなっちゃんが信じている姿とか。
私が愛読しているサッカー漫画『DAYS』はまさにその積み重ねのようなもの。サッカーどころか運動ド素人のつくしが、丁寧に丁寧に…”走る”という土台から始めて、積み木を積み重ねていくように成長していくのを応援していける作品です。
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この記事で触れている313話『花束を君に』が収録された最新刊が発売されました。読み返すと本当にいい流れの構成だなぁ。308話でもう一度チームメイトに「最近の柄本は、どんどん上手くなってきている」と再発見させている。本当にじわじわと皆が感じている。泥臭く追いかけてがむしゃらにプレーをして周囲を驚かせることはあったけど、ここに来て「上手くなってきている。」という実感がある。灰原との連携ディフェンスや、トラップ精度の向上など。ずーっと課題だったシュートについても改善の兆しが見えている。今までの積み重ねがあったから、それを読者は読んできたからこそ抱く感動があります。
最初からずーっとつくしは「がんばって」いたし、その頑張りは仲間からも評価はされてきていたのだけれど、それはやっぱり「つくしにしては」というのが付いていた。
しかし全国に来て、初戦ではルーズボールの奪取という役割をしっかりと果たし、一星戦でも鬼気迫る活躍を見せていました。笠原先輩が泣いてたからね。ああいうのに弱いんですよ。つくしが本当にひ弱で、練習にも付いてこれないころから知っている仲間が「本当にお前は…」って感極まっちゃうところ。
そして、臼井をして「こんなに頼もしい後ろ姿は他にない」と言わしめる梁山戦。
聖蹟共通の認識だった 「いつか来ると思ってた こんな日が」
はい最高。こういうのがもう涙腺をズドンのドン。俺も思ってたよ!って。
それでそれで、ついに迎えるこの試合ですよ。桜高戦。インハイ予選ではつくしが決めきれず勝ちを逃した…と本人は思っている。思っていて一番落ち込んだ試合の対戦相手とのリベンジ。
これまで戦ってきたライバルたちがスタジアムで応援し、作品として解説役に回っているのもいい。だって君たちからの"つくし評"で嬉しくなってしまうから。
何度読んでも、313話の「花束を君に」が素晴らしすぎる。つくしのゴールはもちろん、来須のモノローグのはさみ方がいいんですよね。
風間 お前今何してんだよ 病院で観てるか?
お前はどの段階で気づいてた?俺はまるで予見できなかった
あの柄本がここまで成長するなんて
挫けていい場面は何度だってあったはずだ
諦めていい場面のほうが多かったはずだ
実際立ち止まったことだってあったかもしれない
……俺はお前に心のどこかでずっと
嫉妬と尊敬と冷笑と…
その全てが入り混じったなんとも言えない気持ちを抱え続けてきた
だけど本当は
俺はただ
お前に報われてほしかっただけだったんだな
DAYS 313話「花束を君に」
泣くわ。来須は梁山戦でもつくしに対して抱いていたなんとも言えない気持ちを本人に零していますが、いや本当に読者が心に思っていたことを全部言ってくれたよね。来須は本当にいいヤツだよ。来須の成長も本当に嬉しいよ…。