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求めていた「それから」のカタチがそこにあった。『ハイキュー!!』45巻を読み終えて

ハイキュー最終巻が発売された。私はアニメ1期が放送されていた頃にコミックスを買い集め、そのまま最終巻まで並走した。いやあ、読んでよかった。超楽しかった。

ハイキュー!! 45 (ジャンプコミックスDIGITAL)

バレーボールを純粋におもしろく描き、プレイヤーたちの人間関係や成長を丁寧に描いていった素晴らしいスポーツ漫画だったと思う。

こういったスポーツ漫画は今マガジンで愛読しているDAYS(サッカー)や、連載終了したベイビーステップ(テニス)、てのひらの熱を(空手)に通ずるものがあって、私はこういった作品が好きだなぁと改めて思う次第である。ベイビーステップてのひらの熱をは、ハイキュー!!のように最後まで思うような展開をさせてほしかったよ私は。今でも思う。

dego98.hatenablog.com

 

…苦い話になってしまったな…。

ハイキュー!!に話を戻す。古館先生独特のコマ割りや擬音語の使い方、エフェクトが飛び出してくるような絵、ここぞというところの決めゴマ、決めセリフの使い方という漫画の醍醐味を凝縮したような作品で、試合の結果を知っているのに何度も何度も読み返してしまう。読むアニメか?ってくらい漫画の中の動きが頭の中で見えていた。

過去作の四ツ谷先輩の怪談も効果音の書き方(効果音の書き方?)が独特だったけれど、ハイキュー!!では更に進化している気がする。読んでいて気持ちが良い。 

詭弁学派、四ツ谷先輩の怪談。 1 (ジャンプコミックス)

各キャラクターの魅力や各試合のおもしろさはもちろん、ストーリー上の練習や試合、成長といったそれぞれの『点』と『点』が繋がり『線』となる様が、ハイキュー!!は特に優れていたように思う。特に42巻から始まる最終章は「これこれこれェ!!」となりまくりのハイパーサービスボーナスタイムだった。表現が下手か。

 

※本記事はハイキュー!!のネタバレを含みます。未読の方はご注意ください。

 

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理想の『数年後』の描かれ方

 42巻、春高バレーで鴎台に敗戦したあと、あれよあれよと時間が進む。三年生は引退し、数年後。……数年後!?と連載組は思っただろう。コミックス組も思ったよ。

今までの漫画経験において、『○年後』は最終話近辺で発生し、1話~数話くらいで完結する。それは打ち切りだったり、円満完結どちらでもありえる話で、○年後の主人公たちの姿が描かれ、ハッピーハッピー!!みたいな感じでほっこりと終わる。

スラムダンクで言えば山王戦が終わった後リョーちんがキャプテンになっていたり、甘々と稲妻であれば小学生だったつむぎが中学生、高校生と猛スピードで成長したり…

いわゆる『後日譚』『エピローグ』という余韻で、それはそれで読者としてはおもしろいのだけれど、その時間にもう少し浸らせてほしい!という思いもあった。

(逆に『○年後』でゴリゴリに新章が進んでいくパターンもある。有名所で言えばMAJORかな…)

 

とにかく、「その後」の話は一瞬で描かれてしまうか、そこから長い新章が始まるかに別れるかのどちらかだと思っていた。

ハイキュー!!は違った。「それから」を最終章として、ぎゅっと詰め込んだ内容で届けてくれた。「そうそう、俺の見たかった『後日譚』はこれなんだ!」と大喜びの内容だった。

「○年後にこんな姿になりましたよ~」というお披露目だけではなく、我々読者が見届けていた時間の延長上にあるものだから尊い。あのとき志していたから、今こうある。あの敗戦から学んでこうしている。あの時の課題をこう克服している…。それは『伏線回収』とはちょっとニュアンスが違う。「あの経験が糧になっているんだな」を読者が追体験できるようになっている。

単純に「成長したみんなの姿」が見れるだけでもテンションがハネあがる。異国の地で及川さんと日向がタッグを組むなんて!!ってだけでおもしろい。春高編までで描かれたそれぞれの登場人物の「こいつ強ェ~!!」具合を「俺たちは知っている」からこそ、敵となった時の恐ろしさを、味方になった時の頼もしさを味わうことができるのだ。

ここまでさんざ最終章と言ってきたけど、42巻から43巻にかけては『日向武者修行編』的な、最終章へのステップ的な存在かもしれない。まぁ一緒一緒。どっこいどっこい。日向はこんな戦いをしてきたんだなぁ、を味わった上で、満を持してのプロリーグ編に入っていく。

どや 俺の仲間 皆すごいやろ

プロリーグ編の何が良いって、総決算的な1戦しか描かれないことだろう。もちろん新章突入!ということで各チームで活躍するみんなを描いていってもおもしろいとは思う。だがハイキュー!!はその1戦にすべてを込めた。それは今まで読んできた読者へのご褒美のようだった。姉さんの「どっちが点獲ってもアガる試合観てるウチら 無敵じゃん…?」がすべてである。

 

いきなり細かい話になるけど、角名が338話(44巻)で「上げんだよなーコイツなー」と漏らすのは、287話(32巻)の稲荷崎戦で「上げんのかーい」と影山に驚いた経験から。こういった…こういった「俺は知ってるぜあいつすげえんだよな」感をそれぞれの好敵手達に発言させるのがめっちゃ好みなんですよね……(あまりの好み度合いにより、文章の書き方が変化してしまう)

それで言うと、「日向、なんでもできるようになっちゃって…」と読者もみんなも成長を感じるのが一番のご褒美なんだろうな。武者修行編を知っているのはほぼ読者だけの構図なので、かつてのチームメイトや対戦相手たちが「こんな武器まで身につけてんのか!」と驚くのを自慢気に眺める特権的なね…うふふ…そうなんすよ日向すごくなったんすよ…星海くんが「…クソ」というところとか最高じゃないですかね。(そして読者が思っている以上に日向がすごくなっているのもアツい)影山のサーブを一発で返して最初のポイントを取るシーンにはいろいろなニヤニヤが詰まってるんですよね…。

冷静なツッキーが静かに日向の成長度合いを分析したり、成長っぷりにすげえイヤな顔してるのとかね…。ブロッカーとしてあれこれ考えてるんだろうな。だからこそすげえイヤなんだろうな…。

『最強の囮』がまさかそんな最終形態になるなんて!という驚きもありますよね。日向が様々な対戦を経て吸収していく様は春高編まででもたくさん描かれてきましたが、いろいろなものを補い翼にしていく日向はシンプルに「見ていて気持ちがいい」成長をしているように思います。 

ハイキュー!! 44 (ジャンプコミックスDIGITAL)

44巻中盤からのそれぞれの人物ピックアップ回は最高オブ最高のオンパレードだったので言葉がありません。強いて言うなら北さん登場シーン最高じゃないですか…。なんか知らんけどあの見開きでめっちゃ泣きそうになってしまった。

 

そして45巻ですよ。表紙が1巻と同じ構図なのも最高だし最初のページがギャアアア(谷地さんバリの白目)

彼らのエピソードが最後に深堀り深堀りされていくのがすごい。ここにきてかよ!みたいな。大きくなった彼らがコートの上以外で交わっていくのもいいよな…岩ちゃんとウシワカの真面目な語り合いとか最高か。

すごさを味わってきた者同士がよりすげえ感じになっていく化学反応を読めることの幸せたるや。ただ自撮り下っっっっっ手くそ(笑)(笑)

 

話があっちこっちいって恐縮なんですが、日向がウシワカのスパイク上げたときの鳥肌がちょっとすごかったですね。稲荷崎戦でレシーブに目覚めたときに似た感覚でしたが、なんかもう積み重ねてきたものがあるからクるものがあるというか…いやーほんとレシーブのところを見開きで、すごい静かに書くのがうめぇんだよな…すげえな…。時間が止まったように。本来ボールが落ちるまで止まることがないバレーというスポーツの中で、その一瞬一瞬に意味があり、それを切り取ることの凄さがある。神経が研ぎ澄まされている感覚がある。

 

ハァーーーーン!!ノヤさんにみてもらいたかった!「いい位置どりだぜ!翔陽!!ナイスレシーブ!!」つって。そう。最終章でちょっとさみしかったのはノヤっさん。海外にビュンしてるのは「らしい」っちゃらしいんだけど、もっと話してほしかったなぁ。

 

399話からの各高校横断幕演出は最高すぎですもうありがとうございます…。超かっこいいエンドロールみたいな感じだよな…。うう…好き…。『空中ならいつだって強い』星海、完璧に積み重ねてくる佐久早、『普通のエース』として一球を決めてくる木兎…赤葦の「世界!うちのエースを見てくれ!!!」が好きすぎる…。威風堂々のウシワカ、……(『思い出なんかいらん』の出し方が好きすぎて悶絶)烏野対決の「飛べ」は、まぁ、もうね。ああ、ここまで来たんだな。って感じでしたね。

 

いやーずっと思ってたけど仁花ちゃんかわいいなあ。(試合が終わったところを観ながら書いてます)潔子さんは再登場時ナミとロビンが混ざったような顔(特に目をしていて、ジャンプのヒロイン!みたいになってました。(???)鷲城監督の拍手の描き方がさすがなんだよなぁ。試合後の月島たちと影山・日向が一緒にいるコマが愛です。

 

…で。そこから時が経ってオリンピックになったり、さらに1年経ってワールドカップなので、記事冒頭に書いた「あれから○年」展開っちゃそうなんですけど、数年経ったプロ編がゴリッと描かれて大満足なので、もうその延長線上として十分なんですよね。構成がうめぇ~。(そりゃあ五輪もワールドカップも読みたいけど!)っていうか最終話の描き下ろしと加筆修正がエグい。最終話付近は我慢できずに本誌を読んでしまったのだけど、最終話すっげえな…。

 

今まで読んできたからこそ「わかるぜ」って要素がゴリッゴリに詰め込まれている最高の最終章でした。それをめちゃくちゃおもしろい試合展開に盛り込んでいるのがハイキュー!!のすごいところ。最高のニヤニヤ。最後の日向と影山「今日は」「今日も」がいろいろ語りすぎている。

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思い入れのあるところ各種

全体を通じて特に好きだなあと思うところを挙げてみようと思います。

ツッキー

全体を通じて月島の変化は作品の中の太い軸でしたね。ツッキー自体の成長もあるけど、ツッキーという人物が様々な場面に光を当ててくれて、物語も登場人物もより深みが出ていた気がする。

初出時はまさかこんな思い入れのあるキャラになるとは思わんやん?誰よりも一歩引いたところから冷め気味で見ているからこそ心強くもあり、悔しいけどこいつすごいよね的な評価をする場面ではこっちが嬉しくなっちゃう。チーム烏野の"理性"として、ときに辛口ではあったけど、それも冷静に事実を見ている裏返しでもあった。

344話(39巻)の鴎台戦途中で相手のブロックに感心して「あとで滝ノ上さんに鴎台の試合の録画をもらおう」なんて思っちゃうのもいいよね。見直して分析してアップデートするんだろうな~~いいな~~~。

 

合宿時の山口との対話、木兎・黒尾との練習を経てからぐぐっとツッキーのストーリーが深みを見せていくわけですが、…っていうかこの合宿あたりに成長の種が仕込まれまくってて驚きますよね。10巻以降のツッキーは本当によかった。白鳥沢戦163話(19巻)での「ほんの僅か いらだちと焦りを含んだ綻びを まってたよ」のシーンは好きすぎて何度も読んでしまう。

アニメではその後のガッツポーズに雄叫びが入っていて感情大爆発!でしたけど、私の解釈では静かながらも力強いガッツポーズなんですよね。白鳥沢編クライマックスの戦術も超好き。それを打ち負かしてくることでウシワカのとんでもなさが出てくるのも好き。

他には稲荷崎戦での「居ろよ」あたりもね。(287話/32巻)ドシャットだけではない、全員での『トータルディフェンス』を誰よりも理解し実践していたツッキーの姿は各戦で表現されていますが、それがハマったときの気持ちよさは本当にね~本当によかったね~…(しみじみ…)最後、京谷と同じチームにいるのがおもしろすぎる。お互い「うわ…」となってそう。

全体を通じて特に好きだなあと思うところを挙げてみようと思ってたんですけど

思い入れのあるところ各種 とか言うてる場合ちゃうのよ。ツッキーひとりでもこんな様々な要素を入れ込んでくれているんですよね。読み返せば読み返すほど発見があるというか…。個として、チームとしての成長が見て取れるというか…。

相手にされて嫌だったブロックを日向が真似ることや、レシーブ意識するようになってツッキーのブロックの凄さを知ったりノヤっさんの位置取りを理解するようになったり(そしてそれをノヤっさんが褒めてくれるのが良い)

『変人速攻』を実践した宮と後に組むことになって、『唯一無二』ではない攻撃バリエーションから日向らしいプレイスタイルを発展させていったり…。

「あの一戦が」「あの練習が」それぞれ糧となって今後の試合で活かされていくのがこんなにおもしろいとは。練習や成長、経験と学びのおもしろさをポンポンと出してくる。

プレーヤーだけでなく、監督や先生も本当に良いんですよねぇー…。挙げ始めたら終わらないんですよねぇー…。

また1から読み返すので、改めて記事を書こうと思います。

 

なにはともあれ、めちゃくちゃ楽しませてもらいました。アニメも今後が楽しみだな。最新18話は音駒VS早流川編クライマックス(30巻部分)でしたが、とても気合の入った回でした…。今後稲荷崎戦終盤に入ってくるけど、好きなシーンがいっぱいあるので超楽しみです。角名VSトータルディフェンスとか、日向の『忘れられない1プレー』とか…。へへ…へへへ…(いくらでも語れそうな顔)

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