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【ネタバレ】テイルズオブアライズ感想/終盤の展開がどうにもしっくりこなかった…

「最新の大型タイトルを遊びたい」欲が何年かに一回訪れるようで、テイルズオブアライズ(Tales of ARISE)を勢いで遊びました。2年前ドラクエ11Sを遊んだのと同じ勢い。

dego98.hatenablog.com

テイルズシリーズはエターニアとファンタジア(PS版)を履修済み。どちらも楽しく遊んだ記憶がある。エターニアは戦闘の軽快さがピカイチで、2D戦闘最高峰だったんじゃないかと思う。俺は鳳凰天駆大好きマンになった。獅子戦吼も。

時を経て最新のテイルズ。さあどんな冒険が待っているのか…。

本記事は作品の核心に触れながらの感想記事となります。未プレイの方はご注意ください。タイトルでも分かる通り、「バトルとグラフィックはよかったけどストーリーがしっくりこなさすぎて全体的に50点くらいになっちゃった…」という方面の感想です。この記事を見に来られた絶賛派の人にはここでゴメンナサイしておきます。

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感想

すごいぞ美麗グラフィック!戦闘も迫力がすごいしカットインかっこいいね!でもストーリーは難が多くて、素性不明主人公、全然自分の境遇話さないヒロインのダブルパンチで「なんかよくわかんないけど支配体制を崩そうぜ」状態で進む序盤、噛み合わない会話、「そんなこと言ってねえだろ」の口喧嘩多数、そのあたりの背景が明らかになるまでの過酷な旅…。なんとなく背景がわかる頃がピークで、そこから先は盛り上がり右肩下がり…。
というのが早口での感想。もう少し紐解いて振り返っていく。

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一番好きなのは医療班のティルザ

グラフィックきれいだったねえ

グラフィックが良かった。イベントシーン、戦闘シーン、人物モデルも素晴らしい出来で、全編これでいいんじゃない?と思うほどだった。それ故に、後述のアニメーションとのバランスが気になるところでもあった。

バトル迫力あったねえ

ブーストストライクは爽快だったなあ。新しい技を覚えたり、進むにつれて連携の幅が広がったり。テイルズ内での成長だなー!!と実感した。手触りが良い。

序盤ギスギス感を見せられるのきっつい

システム面やグラフィックについてはだいぶ楽しめた。しかしストーリーで言うと「よかったー!!」とは言いづらい。もちろんこれは私の感想なので、心から楽しんだ人を否定するものではない。

 

序盤はやたらと「そんなこと言わんでもええやろ」「ああ、でもこういう境遇だからかなぁ」とこちら側がくみ取る必要があるシーンが多かった。

300年に続く隷属支配、レナ人ほんま憎い!敵!…というバックグラウンドがあり、レナはダナを下等種族と見下すのが当たり前になっているし、ダナはレナを敵としか見ていない。双方の差別的考えや、やたらとげとげしい会話など、不穏な展開が目立つ。もっと話を聞けよと思うこともあるが、そのたびに「特殊なバックグラウンドだもんな…心を広く持つのも無理だよな…」とオトナ対応で気を静める必要があった。

一方で、そんな極端なバックグラウンド、人間関係の中に居た彼らが、とても現代人あるあるな価値観を出してくるシーンなどが逆に違和感だった。(思春期の親と子みたいな話とか、結婚のブーケ云々みたいな話とか…彼らのおかれた境遇では出会わなさそうな文化圏の話…)

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そもそも主人公が記憶喪失&なぜか鉄仮面を被っている謎属性尽くしであり、ヒロインも「レナ人ながら領将を倒したいらしいけど全然語ってくれない」と来た。序盤はジルファがいなかったら全編険悪ムードだったに違いない。ジルファが一番主人公してたと言っても過言ではない。惜しい人を亡くした。

いやあ、素性不明の仲間が出てくる展開はよくあるけど、主要人物がそれってキツない?エターニアの「出身が同じのリッドとファラが、素性不明のメルディとあたふたしながら旅をする」構図がいかに平和だったか(キールはちょっと無愛想だった覚えはあるけど…)。せめて誰か仲いいやつらはいてくれよ。

中盤も人間関係が大変だ

そこに加わるのが、お前も話をちゃんと聞けよ筆頭のロウ(仲間になったら無神経発言でいじられ役になるのもなんかな~)、レナ人マジで許すまじ過激派リンウェルちゃんと来たからにはもう大変。「Aをした方がいい!」「Bはどうでもいいってのかよ!」みたいな言い争いが頻発した。誰もそんなこと言ってねえだろ(2回目)

なんだろうな、グラフィックきれいになってフルボイスになって、イベントもたくさんあり「見せられている」場面が多いからこそ、なんか辛辣だなぁ…と気が滅入ることが多かったのかもしれない。戦闘ではめちゃくちゃ連携しとるのに。

テュオハリムとキサラが仲間になってから、諫める役や解説する役が落ち着いてくれてよかった。テュオさんはそのバックグラウンドゆえに空気読まずにズバッと言って諫められる~までがワンセットだけど、そんなにダメなこと言ってるか?という風にも思っていた。キサラは完全にママ。

結局、各種登場人物が「なぜそんなことを言うのか」「なぜつっけんどんなのか」がわかるまでに非常に時間を要するため、それまでに人間関係に嫌気がさしてゲームを投げる人がいてもおかしくないと思う。

ストーリーの失速 駆け足で詰め込んでいった真実

まぁまぁ話が進んで、アルフェンの過去がそれなりに明らかになる。シオンの荊もなんか大変だなぁ~ってなる。具体的なことはわからないけど、マスターコアを集めるのが大事らしい、くらいにはわかってくる。ここまでが長かった…。

そして最後の領将を倒した後、テュオハリムも嘘をつかれていたことが判明!誰が?なんのために??そんなこと考えてたらレネギスから楔がドーンときて、第二のオープニングムービーが流れる!!「なんか始まった!!!!!」…がピークだった。あそこは燃えた。

話は進んで、レネギスの禁領~ヘルガイムキルに出会うところは圧巻だった。広げた風呂敷から別の風呂敷が出てきて、真実をこれでもかと出してくるが、説明の多いこと多いこと。

このあたりでは、

・ちょっと説明を聞く
・テュオハリムがなんとなく現状を整理する
・誰かが「◯◯ってこと!?」と聞いたところで誰も正解を知らないことを聞く
・テュオハリム「あくまで推測でしか無いが…」と諌める
みたいなやり取りをやたら繰り返していたように思える。「誰もそんなこと言ってないだろ構文」から、今度は「それ聞いても誰も答えは知らんよ」構文の出現である。

それはさておき、黒幕は誰かな~と思ったら星霊と来た。いきなり話がでかくなりすぎである。まぁいきなり謎の組織が出てきてもそれはそれで困るけど…。

相手がボヤっと大きくなってしまったものだから、解決法もボヤっとしてしまう。最後の説明パートの長さと、そこで初出の用語をどんどこ詰め込んでいくあたりで勢いが失速してしまった。

話は戻るけど、レネギスからレナへ向かおうとして、赤い女にワープ食らわされたとき、思ったより近いところにワープしただけだったのはウケてしまった。肉眼でダナとレナ見えるところやんけ。もっと宇宙の果てにワープさせられたと思ってたから、窓からレナの開花見えるのにウケちゃった…。

いきなり恋愛ブーストが加速するのはなんなんだぜ

仲間みんなでがんばるぞ!!みたいな雰囲気だったのに、2部中盤くらいからいきなりカップリング比重が高くなっていく。ヴォルラーンからシオンを助けたあたりで二人はイチャコラしだすし、ロウもスキットで恋愛やんちゃ君を出してきたし…。

ヘルガイムキルの話を聞いた後、宇宙船修復時のイベントが恋愛ラストスパートだったな。キサラママもいきなり「テュオ」呼びでほのめかし乙女になっちゃってこれ。どうしたん?

最終決戦(or世界の滅亡)が近くなって恋愛ブーストが急加速してしまったのかしら。恋は猪突猛進だぜ…。終盤に向けて核心に迫ることと、恋愛の急加速が同時並行に進んでいくことがうまく絡めばよかったんだろうけど、私としては余計な要素入っちゃったな~と感じた。

最後もっとうまいことやってほしかった

ラストダンジョン長すぎて本気で飽きてしまった。中ボスが色違いになって再戦するのはいいんだけど、中ボスが普通に雑魚として何回も戦うことになるのはさすがに飽きるだろう。一回ラスダンっぽい中ボスが出てきたときはよかったけど、それ以外はほとんど使いまわし中ボスでお腹いっぱいだった。

しまいには星霊戦でも第一形態の後に中ボス何体かと戦わされるのには驚愕した。さすがにそれはいらんやろ。

星霊懲らしめて、いざ儀式!と思ったら出てくるヴォルラーン。「余計なことすんなよ!!!」ってリアルで声出た。ラストバトルは大技打ち放題で爽快感はあったけれど…。

レナス=アルマが「せっかく作られたのに俺のパフォーマンス最後まで発揮されなかった」と嘆いてしまうわ。ちゃんと使ってあげてよ。ヴォルラーンのやりたいこともよくわからんかったし、アルフェンのヴォルラーンへの言葉もあんま刺さらなかったな…。ほんまヴォルラーンの扱いの悪さたるや。雪原で狼を狩り、主人公パーティを襲って強キャラ感を出していたのを思い出すと恥ずかしくなってしまう…。

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これが一番印象に残ってしまうかわいそうなヴォルラーンさん

ヴォルラーンの爆発を受けて無傷のアルフェンはアルフェンで、甘いこと言ってたらレナス=アルマを失って狼狽えてしまうし、ここに来ていきなり「ダナの意思を一つにしよう!」ってあんた。王と巫女の力でそんなことできんの???ダナの人たちも「ん?なんやあの光?」って眺めてただけに見えたけど、それで「シオン、レナ、ダナを救う」という思いの統一ができたんか????

終盤になってみんなの想いを集める!!っていうのは王道ながらも激アツの展開で、料理の仕方次第では最高の感動を生むわけですよ。みんなで神頼みしたあの名作や、みんなで「いのった」あの名作、パワーをメテオに込めていいですとも!した名作もそう。なのにこの主人公は「そうだ、みんなの思いを一つにしたら良いんだ!はい、お願いします!!」と実行してしまった。それが解決策になったのもよくわからん…。

エンディングではちゃんと描かれなかったけど、レナとレネギスとダナが一つになるってどういうこと???????地殻変動ってレベルじゃなくない?ちょっと地殻変動あったくらいで大変になってたレネギスの人生きてる????住居失ってない?

アニメムービーは必要だったのか

グラフィックが美麗で、イベントも違和感なく進んでいたこともあって、差し込まれるアニメムービーが劣って見えてしまうのがもったいなかった。ufoさんも鬼滅で忙しかったのだろうか?アニメで描かれるシオンがそんなに可愛くないのが致命的である。

テイルズといえばアニメムービー!かもしれないが、そのテイルズらしさをいろいろリニューアルした本作にしては、そこは残すんだなぁという感じだった。ufoさん起用した話題性を売りにしたかったのかも?と捻くれた考えにもなってしまう。アニメ自体はすごいなあと思うものの、使われる場面と、本編とアニメシーンで生じた格差がすごかったな。悪い意味で。

登場人物についてのコメント

せっかくなんで書いておこうのコーナー

アルフェン

300年冬眠してたら痛覚も記憶も無くなっていたマン。仮面が半分割れてるときが一番イケメン説。シオンに触れただけで人が吹っ飛ぶような<荊>なのに、終盤痛覚が戻った後も結構平気そうに触っていたので、どうなってんだと思いました。王の力?

鳳凰天駆を比較的早い段階から使えて歓喜したものの、3D戦闘だと使い所が難しかった。これが時代の流れか…。必殺技長押しでHPを削りながら強力な技を繰り出すのはいいけれど、「長押しでチャージできる」スキルをセットしてしまったことを序盤は後悔した。HP減りすぎ。

シオン

腹ペコ姫。もうちょっと最初から色々な事情を説明してくれたら冒険の目的も地に足ついたものになったろうに…と何度思ったことでしょう。

というか、ネウィリから今に至るまで荊は発動しなかったのでしょうか。どうやって子孫を残してきたのだろうか。ネウィリさんも子や孫に対して荊についてもう少し説明を残していてもよかったのではありませんか??と何度思ったことでしょう…。

腹ペコ大食い関連で絡んでくる話はだいたいおもしろかったので大目に見ますが…。

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ロウ

仲間になってからは急にパーティの穏やか担当になり、仲間が増えてきたら突っ込まれ役になってかわいそうでした。デリカシー無いことを言ってリンウェルにキツいことを言われる流れ、さすがに何回もあるとお腹いっぱいになる。

最終奥義の「俺は鳥になる!!」はよくわかりません。

リンウェル

購入前は「かわいい!この子と俺は仲良くなるんじゃい!」と思っていたけど、ロウの方に行ってしまいました。最初はレナ絶対許すまじ精神の過激派で、何かあるたびに「レナはこうなんだから…」と毒を吐くのが辛かったですね。きっと背景があるからしゃーないよな…と心を落ち着かせながら見守っていました。

終盤は女子同士でキャッキャしてるのはよかったです。やっぱりキサラママがいると場が和む。

テュオハリム

みんなが「つまり、◯◯ってことか!?」と答えの無い問いを投げたり、「××が悪いのか!!」と適当な断定をしがちなところ、「憶測ではあるが…」「可能性の話だ」と冷静に場を整えてくれる重要人物。やたら自分の罪を背負いたがる癖があったのでスロースターターだったが、一番常識のある人だったようにも思う。いろいろ配慮の欠けた発言を嗜められるシーンもあったが、そこまで言わなくてもよくない??と思っていた。

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キサラ

母。

このゲームにおける重要な金策要素である釣りをパーティに与えてくれる重要人物。それだけで100万点なのに、この「そんなこと言ってねえだろ」要素の多い連中をまとめてくれる母的存在。ありがとうママ。

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終わりに

この他にもアイテムが高いとか、基本的にレベルデザインがキツめでDLC経験値パック推奨っぽいとか、ダンジョンのデザインが「ダンジョンのためのダンジョン」っぽい作りでおもしろくないとか(宝箱が中央にあるだけのだだっ広い部屋はなんなの??)、昇降機の鍵探すギミックばっかやんけとか、ヴォルラーンはシオンをさらってどうしたかったの?とか、楔から放たれた4属性の大ボスがサブクエストでいいのか?とかいろいろあるけれど、これくらいで。

敵は硬かったけどバトル自体はまぁ楽しめたし(弱点属性を攻めたり、行動パターン見切ってみたり)、音楽もよかった。さすが桜庭さん。ピークと評した2部のオープニング!!という展開は普通に興奮した。ああ、シオンが荊について語るシーン~「生きたい!!」となるシーンの歌の演出もよかった。そうきたか~となった。

 

久しぶりにテイルズシリーズ遊べて楽しかったです。さすがのボリュームでした。スキットとかの仕込みが多くて台本考える人大変だなと思ったし、ここの作り込みがテイルズなんだろうな~~と関心した。その分、最後の失速とダレが残念でした。

 

長くなりましたが、こんなところで。