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「最軽量のマネジメント」、マネジメント層じゃない立場から読んだ感想

先日のサイボウズデイズにて購入した「最軽量のマネジメント」を読みました。

現職ではマネジメント層ではなくスタッフメンバーなのですが、この立場でも参考になることは多くあると思ったのと、そもそもサイボウズファンなのと、オサムさんの話をちゃんと読んでみたいと思ったので。

 

 サイボウズのコンテンツを愛読しているのと、イベントでお話しを聞くことも多いため、やはり根底にあるお話しは共通していることが多いため、するすると入ってきた。「情報をオープンに」「質問責任」「公明正大」「100人100通り」。はいはい君たちね。いいよねこの考え。本書はその考え方を解説すると同時に、マネジメントのあり方についても提案がなされています。

 

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情報伝達の仕方や、働き方も多様化している中で、マネジメントに求められる理想だけが昭和のままアップデートされていない。管理職は部下の管理、指導をしながら業績に関しても責任を追い、目標設定したり評価をしたり、今日流行りのタレントマネジメントだったり1 on 1だったりいろいろ今風のことを取り入れさせられたり…でも働き方改革の指導もさせられたり…。いやいや背負わせすぎでしょう。今は部署の垣根を超えたプロジェクトも多くある中で、各部署のマネージャーがそれぞれの部下の動きをマネジメントするなんてまぁ難しいこと難しいこと。

従来型の組織構造は、トップから末端までのピラミッド型…トーナメント型の組織だった。これは情報を伝えるにあたって合理的だったから。対面、電話時代の伝達方法ですね。本社に集める幹部会議でトップからおろして、それを現場におろして…。あるいは現場から吸い上げ体験を幹部フィルターを通して更に上に伝えたり、時に言い換えたり…。これは「情報を持っている」ことにアドバンテージがあった時代のやり方でした。

しかし、今情報伝達は容易となり、パッとトップからボトムまで伝えようと思えば簡単に伝えられるようになりました。だけど頑なにこの組織構造は残ったまま。情報の流れや権力の流れもこのままでええんかいな?という疑問から紐解いていきます。

本書で様々なエピソードや、サイボウズでのやり方とその成果、昔のサイボウズで行った施策とその失敗などが語られていますが、やはり先程あげた「情報はオープンに」「公明正大」「質問責任」「100人100通り」が様々な形で応用されています。最軽量のマネジメントの提案は、マネージャーの役割をすごくシンプルにするものです。

 

部下の立場で読んでいましたけど、参考になることといいますか、「組織のあり方」としていいなぁと思うことが多々ありました。一番響いたのは、情報をオープンにする部分と、その後説明責任と質問責任の部分。

【第4章】最軽量マネジメントは「情報の徹底公開」たったひとつ

【第5章】だいたいの問題は「説明責任」と「質問責任」で解決する

公明正大、質問責任がキーワード。「アホはいいけどウソはあかん」
グループウェアを用いて、会社のほとんどの情報をオープンにし、 誰でもアクセスできるようにしている。

情報を隠しているメリットってなんだろう。偉い階層の人が情報を隠していることで現場には納得感が無かったり、中間管理職が板挟みにあう。隠しているという意識すらないのかもしれない。いつだって「急な結論」だけが降ってくる。偉い人たちだけの会議で一体何が話されているの?

情報をオープンにすることで、様々な意見が集まるし、上は悪いことができない。 都合が悪いことを隠しているのは、しわ寄せや負担が現場に行くし、結果的に反感を買う。

同時に、「質問責任」。 説明する方にも責任があるし、疑問に思ったなら質問をしなさい、という責任がある。とはいえ質問なんて早々にできないが、「質問してもいいんだ」という心理的安全性を確保することで徐々に普及させてきたのがサイボウズで、それは素晴らしい風土だなぁと思っている。

情報をオープンにし、下からも質問、意見が言いやすい風土を作ることで、社員が自律的に行動できるようになっている。上の階層が情報を溜めているのに、社員に自律的になれと言われましても。必要な情報は開示して、それを得意とする人が動いて、管理職が意思決定をする。これが今の時代に最適なマネジメントのあり方じゃないか?

あの人達何やってるの?なんかプロジェクト立ち上がってるらしいけど何やってんだ?…っていうことは多くの企業で起きていると思う。規模が大きいからとかそういうことではない。経営の重大情報はしょうがないとして、割といろいろな施策や動き、会社としての情報が上層で留まっているのに、社員には「自発的」にとか「主体的に」とか「自分事に」とか言われても、という矛盾があると感じる。

クローズにした中で決まった施策や、議論の結果だけポーンと言われても納得感が無い。誰がハッピーになるんだそれは…と思うことが多々あるなぁ。などなど。なぐり書きのようなメモがたくさん生まれました。

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で、これ今の立場で読んだ私はどうすんの。

■意見を発信する、仲間を増やす

溜めこまずに発信することで、実は内内にそう思っていたような方々の共感を得て中間が増えるなんてことがまぁざらにある。これはサイボウズデイズ基調講演で大岩さんがおっしゃっていたことでもあります。
発信することは勇気がいるので、発信しやすい環境、いわゆる「心理的安全性」の担保は非常に大事だなぁと同時に思いますが、とにかく発信する人がいなければ同調してくれる人も生まれないので、もうこりゃ思ったことをちゃんと言うようにしていかねばならんなと思うのです。上司に対しても、同僚に対しても。

とりあえず上記のメモは部署内にバーンと展開しました。がはは。

■上司とのコミュニケーションをこっちから増やす

(無意識のうちに)情報がせき止められたり、隠されていてこっちがストレス抱えるくらいなら、こちらから聞き出したり、質問したりをしていくんでしょうね。質問責任を自主的におっぱじめていく。納得させておくれやす!!

■この本を読んでもらう 

情報発信の一つですよね。「あなたの部下は、この本に共感する男です。」というある意味自己開示ですよ。他人に「これを学んでくれ!」「この本のこれをあなたも実践してくれ!」なんて押し付けはよろしくない。

「私はこの考えがすごく良いと思いました」という情報を伝える。そこから相手がどうキャッチするかはわからない。だけどそこからの反応に何か糸口が見え…たらいいなぁ。

最軽量のマネジメント(サイボウズ式ブックス)

最軽量のマネジメント(サイボウズ式ブックス)

  • 作者:山田理
  • 出版社/メーカー: ライツ社
  • 発売日: 2019/11/07
  • メディア: 単行本