今週のお題「2020年の抱負」
新しい一年が始まるたびに、「何かを始めなければ」であったり「何か新しいことを始めなければ」という機運が高まるのか…高めさせられるのか、結果何か焦りを感じたりしてしまうことがあるかもしれません。この言葉に出会うたびに私は「あまんちゅ!」という漫画を思い出すのです。
何でもいい 何だっていい とにかくまずは動くことだ 実際何かを始めるのに 「抱負」とか「決意」とか「がんばる」とか あってもいいがなくてもいいんだ
動かなきゃ何も変わらない 動けば何かが変わる 動けばかならず何かに出逢えるんだ
この言葉は当時の自分にズドンと刺さり、今でも心の中の大事な指標として生き続けています。
さて、この「2020年の抱負」というお題を前にして、まず自分がこの数年の間で新たに始めたことを思い返してみました。
もちろん、もうちょっと細々としたことも挙げると他にもあると思いますが、趣味的な…なんかこう、「始めたぞー」感があるのはこれらですね。当ブログを始めたのもここ数年ですが、最初の最初にブログというものを書き始めたのは随分と前になるので、それはまぁ置いといて。
それぞれのきっかけ
スキューバダイビングを始めた
上記の中では一番大掛かりなアクティビティですが、始めたきっかけは些細なことで
- 兄がダイビングを嗜んでいた
- 漫画「あまんちゅ!」を読んで海を体験してみたくなった
- 兄のダイビングに付いていった
という経緯になります。兄と一緒にダイブしにいった挙げ句ライセンスを取り、一人でダイビング旅行に行くようなこともありました。最近は行けていないんですけども。
ボードゲームを買って遊ぶようになった
「始めた!」というより、気づいたら新しい楽しみ方が増えていた感じですが、これもきっかけは些細なことで
- よく遊ぶ友人がボドゲ会に誘ってくれた
- 遊んだ
- 楽しかったから買った
そんな感じ。それから色々買ったりもらったりしながらゲームを増やし、家でボドゲ会をするなり、外に持ち出してボドゲ会をやるなり、ワイワイやれる選択肢が拡大しました。
着物を着始めた
着物も楽しく嗜んでいます。当ブログでも何回かドヤドヤさせていただきましたが、これもひょんなことから始まった趣味だなぁと思っています。
- お嫁さんが着物に興味を持っていた
- SNSで興味ある人のアカウントを色々見せてくれた
- いっちょ見に行ってみるかと思ったお店(ミミズクヤさん)がハイパー良かった
付け加えると、結婚式での和装であったり、遡れば学生時代に浴衣を着たりした体験で「思ったよりしっくりくるな?」という自画自賛が根底にあったところに火がついた、とも言えます。その後着物男子として紹介してもらったり、着物界隈のお友達が増えたりしてありがたい限りです。
羊毛フェルトを始めた
30代男性がいきなり羊毛フェルトをちくちくし始めるの、本当に何があったんだと思うのですが、これもふつふつと眠っていた衝動に火がついた形。
- お嫁さんが刺繍を楽しみだした
- お嫁さんがインスタ等で「すげえ人」の作品をちらほら見せてくれて「すげえ」となった
- なんか作りたくなった
- 絵はダメ、クロスステッチちょっとやったけど針と糸が苦手→毛玉をちくちくならできそう!
着物で使えるアクセサリーを作ってみたいなと言う思いが、個性ある小物を作り出す欲として表に出た瞬間でした。ちくちく。羽織紐を今は作ってみたいなぁと思っています。真ん中マグネットタイプの羽織紐。
羊毛フェルト。カービィさん。りんごを吸い込む機能付きです。 #羊毛フェルト pic.twitter.com/nMWubkfgWM
— でご (@dego98) 2020年1月5日
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…何が言いたかったのかと言うと
新しく何かを始めるんだ!と思って意気込んでいると、なんだか義務感が付きまとったり、始める際に力みすぎたり、それがうまく行かなかった時のリスクみたいなのをすごく気にしてしまうような気がするのです(個人の感想です)。何かを始めるありきじゃなくて、自分が興味もったことがあればそれをフットワーク軽くやってみたらいいんじゃないか?ということ。
こういった時の指標として、先程のあまんちゅ!の言葉に加えて、自分の中で生きている言葉があります。それはFF9というゲームで主人公が語ってくれる
オレたちがどんな過去を背負い、どんな悩み、希望を持ってたとしても……できることといったら行動“する”か“しない”を選ぶくらいなんだ……千差万別の悩みに対してできることは二通りだけってことなんだぜ?頭かかえて当然ってことさ!
……それでもぐるぐるしないようにするには、行動“する”ときと“しない”ときの基準を決めておけばいい。
…という言葉。
結局いろいろ考えたところで、自分には「する」か「しない」を選ぶしかできないならば、それを悩んで動けなくならないように、自分の中での基準を決めようという教え。すべてがすべて基準を選べているわけではないのですが、今回話題にしているような、趣味的な範疇であれば、自分が興味をもった、ワクワクしたようなことに対して行動する、しないの物差しに対しては早く反応できるようにしているつもりです。
こうして見ると、私の始めたことのきっかけは「ちょっとやってみる」「ちょっと誘いにノッてみる」「身近な人の動きに乗っかる」みたいなことが多いことに気付かされます。これは、多分その時突然閃いた!…というわけではなく、交流の中で、ツイッターでタイムラインを追う中で、テレビや漫画、小説といったメディアを通して自分の中に興味の地層が積み重なっていて、それと結びつく体験や人が現れたときに表面にでて、一歩を踏み出しているんじゃないかと思うのです。花粉症は突然発症するんじゃなくて、コップに溜まっていって溢れた時に発症するのと同じです。ひどい例えだなこれは。
例えば羊毛フェルトは、お嫁さんが手芸をアレコレする前から…子どもの頃母が編み物をやっているのを見ていたし、同級生やSNSの友人も絵を描いたり作品を作ったり、「こういうのができるんだなぁ」という興味がどこか自分の中に地層として積もっていたのだと思う。
こういった地層を積み重ねるためには、交友関係や各種メディア等でのインプットが大事……とは思う一方で、新たなアンテナをはろうと躍起になる必要はないと思います。案外身近な人や、SNSでつながっている人たちの行動や発信、普段よく接するメディアを通じて「いいなぁ」と思うことは、思いの外自分の中に生きています。そこで「自分もやってみたいな」となったものを始めてみると、なんだかおもしろいように転がっていくんじゃないかと体感しています。1つの事柄に対しても、興味を持つ持たない、好きになるならないって千差万別で、「みんなもそう思ってるでしょ」と思ったら、自分だけがそういう捉え方をしている、なんてこともしょっちゅうある。わたしが好きだと思ったそれ、わたしが興味をもったそれは、確実にわたしの個性です。
あとは身軽に動いてみること。最初からめちゃめちゃ形から入るだとか、基礎を抑えてからじゃないとダメだとか思っていると「自分の中」だけであーでもないこーでもないと悩んで悩んで終わってしまう。とりあえず「誰かに聞いてみる」「どこかに行ってみる」「実物を見てみる」など、「自分の外」の人やモノやコトに対してアクションするのが大事だと思っています。
とはいえ、全く知らないその道のプロの人にいきなり「これ教えて下さい!」と聞いてしまうのは失礼と思うので、例えばその道を楽しんでいる友人知人に対して「自分もそれに興味がある」ということちゃんと伝えたら、歓迎してくれる(語ってくれる)のではないでしょうか。あとはそれを生業としているお店の人に聞いてみるとか。*1
とにかく興味がある何かがあるときに、「自分だけでうんうん悩んでいる」状態からは早いこと踏み出したほうが吉だとは思います。最初から100点とか、大成功を取ろうとしない。結果的になんか自分に合わないなぁとなったとしても、それが一つの地層になる……んじゃないでしょうか。知らんけど。
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ちょっと違う方面からのアプローチになりますが、「計画された偶発性理論(Planned Happenstance Theory)」という理論があります。キャリア形成に対しての理論がもとで、「キャリア形成は偶然起こる出来事に影響されるので、その偶然を一つ一つ大事にしていこうや」というような考え方です。これって仕事におけるキャリアだけでなく、趣味なりにつながる私生活においても言えるのではと思い紹介します。
「計画された偶発性理論」では、個人のキャリア形成をもっと幅広くとらえ、その8割が予期しない出来事や偶然の出会いによって決定されると考えます。重要なのは、その偶然を避けるのではなく、当人の主体性と努力によって最大限に活用すること。さらには予期しない出来事をただ待つだけでなく、自ら創り出せるように積極的に行動したり、周囲の出来事に神経を研ぎ澄ませたりして、偶然を意図的・計画的にステップアップの機会へと変えていくべきだというのが同理論の中心となる考え方です。
きっかけが突然やってきたり、ちょっとしたチャンスがふと訪れたり。そういったことに気付けるように、そういったことを楽しんでいると、思いがけないところに行き着いたりしているんじゃないかなぁ。
繰り返しになりますが、「何かを始めたい」と躍起になるのもいいけれど、色々と接している中で興味を持っているようなことに対して、ちょっとアプローチをしてみるだけで、「何かが始まる」のだと思います。ちょっと友人に声をかけてみるとか、気になっていたところに足を運んでみるだとか。
2020年、何か新しいことを始めるのか、今やっていることが発展するのか派生するのかわかりませんが、「おっ」と思った時、面白い波が来た時に、ひょいと乗れるようにはしておきたいなぁ、なんて思っています。
今年も当ブログをどうぞよろしくおねがいします。
*1:着物の場合は下手な呉服屋さんに入ってしまうと大変な接客をされることがあるのが難点で難しいのだけどね…。