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#cybozudays 2019大阪 トークセッションレポ(サイボウズチームワーク総研×パナソニック)(2019.12.6)

前回に引き続きサイボウズデイズのレポートです。 

パナソニック人事がサイボウズと組む理由
〜これからの人事に必要なものとは〜
パナソニック株式会社 A Better Workstyle編集局
局長 前川 督之 氏/組織開発担当主幹 大西 達也 氏

サイボウズ株式会社 チームワーク総研 シニアコンサルタント なかむら アサミ

パナソニック株式会社では、2015年より本社人事部門に「組織開発」のチームを置き、
主に国内の全社に向けて組織の改善支援、改善自走の支援、組織開発に関する社員の啓発を行われています。

同社の組織開発は「人と組織がもともと持っているポテンシャルを引き出すことにより、成果と自己実現を促進する活動」。組織内の「対話」の促進を旨とし、対話から動きが生まれることを意図して、当事者の思いを引き出し、行動をサポートしています。

このたび、社員のポテンシャルを引き出す新たな活動として、「個を活かす共創活動(K2プロジェクト)」と称して、サイボウズチームワーク総研とともに、人事社員が自分たちのこれからを考える対話の取り組みを開始しました。「自分たちで自分たちを変えていける会社に」を目指した、人事発の「変わる」プロジェクトです。その活動の目的や主旨、これからの人事に必要だと感じていることなどについて、それぞれの仕掛け人が話します。

 

 

 サイボウズの取り組みについて

サイボウズチームワーク総研 なかむらアサミさんから、最初にサイボウズの取り組みについてお話しがありました。離職率の高いブラックベンチャーだった頃の話から。何度も何度も聞くけど、それくらいの危機感からの転換はすごいよなぁ。そうせざるを得ないほどの転換と覚悟が必要なのかもしれないと思ってしまう。

どんどん辞めていく中で、今いる社員がどういうことをしたいのかを聞いて実現するように考えるようにした。

幸福度向上を追求し→チームで仕事するようにし→生産性向上に結びつけていく。

会社を変えるために必要な3つとして、制度、ツール、風土を挙げていました。これは昨年も聞いたな。

働き方改革を推進する上で大事な要素は、「制度」「ツール」「文化」である。制度やツールが整っても、文化がかわらなきゃどうしようもない。文化とは、意識的にメンバー内で獲得された価値観であり、その元にあるのが「風土」。風土は、無意識的にメンバーで共有されている価値観だと定義づけます。

 サイボウズ自身、グループウェアを活用してなんでも共有する価値観が浸透していることから、なんでも発信する、情報を共有する風土、文化が成り立っているんだなと分析していました。
大槻さん曰く、ツールを用いて、「それが当たり前」な風土を作って、制度につなげ、文化を醸成するのがいいのでは?ということでした。

組織の成功循環モデル

マサチューセッツ工科大学のダニエル・キム教授が提唱している組織の成功循環モデルの紹介。

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結果の質・関係の質・思考の質・行動の質という要素に対して、結果の追求を最初に求めてしまうと、それが押し付け合いになり、面白くないので思考が止まり、積極的な行動も起きず、さらに結果が悪くなるバッドサイクル。

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一方で、関係の質を高めるところから始めて相互理解や尊重を重視していくと、気付きが起きたり当事者意識が生まれ、そうすると自発的な行動を起こし、結果として成果が生まれる。目先の利益や、目先の目標を先に置いて、そこから逆算して考えろ!という号令だと「あそこができていないからダメ」みたいになったりするんだろうな。罪深い。

この考えの下、サイボウズは「関係の質」にアプローチするために「場の質」を追求してきたと言います。つまりは、相互理解や尊重を大事にする…ための文化、環境づくりに注力してきたことで、関係の質が高まり、そこからグッドサイクルが生み出されてきたと。

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パナソニックの組織開発

ここからはサイボウズのチームワーク総研と組んで組織開発を行ってきたパナソニックの事例について。

近年組織開発、強い組織というのはよく言われてきており、関連書籍も多く出ています。パナソニック"組織開発"を、人と組織がもともと持っているポテンシャルを引き出すことにより成果と自己実現を促進する活動と定義づけて活動をはじめました。

具体的には、

・事業所直接支援…事業所に足を運び、改善・成長を直接支援すること
・自走のための事業所社員支援…自分たちで組織をよくできるようになるためのサポートを実施
・啓発活動…組織開発についての研修や勉強会の開催

これらを通じて、巨大なパナソニックグループの組織開発を推進しているようです。

その活動を進めるにあたって組まれたプロジェクトがこちら。 

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自分たちのことは自分たちで考える会社

自分たちで自分たちを変えていける会社

これをゴールに据えました。パナソニックのような大企業であれば、「自分たちで変える」なんて発想もなかなか出ないように思うし、「自分たちで変えていける」なんて実感できないシーンが多くありそう。それを変えていくことを実現しようとしています。

THE CULTURE CODE ―カルチャーコード― 最強チームをつくる方法

THE CULTURE CODE ―カルチャーコード― 最強チームをつくる方法

 

(最近この本を勧められたから読んでみよう、と思ったのをふと思い出して掲載←読んでから載せろよ…)

ワークショップをやってみた

自分たちのことは自分たちで考える組織を目指す、作っていくべく、まずは自分たちの考えとはなんぞやを可視化するためのワークを実践。しかしそこは大企業社員。いや、大企業に限らず、企業に勤める人が陥りがちの、研修では"正しい答え"を言おうとしてしまう、"100点をとろうとしてしまう"習慣が仇となり、なかなか発言しようとしてくれない。

自分を掘り下げるワークだということを強調し、「自分の言葉、考えを出す練習」をと何度も呼びかけたそうです。これは妄想の練習。職場ではなく、妄想する場だと思ってやることで見えてくることがある。例えば副業がテーマだったら、副業が解禁された状況を妄想してみたら~っと話をしていく。しかし普段真面目に考えるモードなので、妄想すらも難しかったらしい。

ワークショップの中では、じゃあこれらのやりたいことを実現するにはどんな壁があるか、ということも書き出す。この部署が壁、この人が壁…などを様々な視点で可視化していくと、やっぱ大企業はいろんな組織や会社の壁があるんだなぁと思う一方で、実際働きかける時には、壁だと思ってたけど案外壁じゃないよねみたいなことはたくさんあった。むしろ自分の中に壁があった!という気づきも。

でもいいな、みんなで話し合って、それをグラレコしてもらって可視化していく過程。こういった時間って自分たちではなかなか取れないし、あまり向き合おうとしないから、外部に入ってもらって向き合わせてもらうのは良いと思います。グラレコ体験してみたい…。(目的がズレてきた)

質疑応答

質疑応答のやり方も、私にとっては初体験。こういうイベントに行かないと知らないままだったんだろうなぁ。Slidoを使っての質疑応答でした。

イベントリーフレットにあるQRコードを読み込むと、このトークセッションで質問を投げるフォームにアクセスできて、そこから質問をぽいぽい投げられます。他の人の質問も見え、イイねを押したりもできる。話を聞きながら質問をホイと入力できるのはいいですね。便利~。

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最初の質問はこちら。

■ワークショップは1日仕事となりがちで嫌なリアクションが多い。やらされ感の無いように人を集めるコツは?

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無理やり集めようとしない。自発的に来たいという人から引き付けていく。前提としていろんなチャンネルを使って広報をしておいて「知らなかった」を減らす。また、自発的とはいえ、そこはかとない権力の下で発信していくのも大事。(笑)

もう一つ重要なのは「なんでワークショップやるんですか」ということ。「職場活性化しましょう」だけでもだめで、その先に何があるのか、と説明してあげると腹落ちしやすくなる。上申する場合は、「組織としてどうなりたいか」と、「それが事業にどう結びつくのか」をセットにすることで、上の人も理解できる。単にワークショップをやるのではなく、その目的とそれを伝えることが大事。

 

これは私がダラダラと書いてしまった(反省…)質問です。採用された!

■冷めてる現場の方にどう浸透させていけば良いのか

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小さいところからでも始めること。何も全員一律にやろうとはしないし、最初からはできません!最初は影響力がある人情熱がある人にしか働き掛けない。最終的に全社的に広げていくことが目的なので、冷めてる人に最初からコストをかけても仕方がない。

(※この件、講演後に直接お話しを伺いました。やる気のある人達で始めて、楽しそうな潮流を作っていくと、最初は冷めていた人や敬遠していた人も気になるようになってくる。そういった人をいつでもウェルカムにしておくことも大事。やりたい人だけで閉じたところでやっていたら逆効果なので、常に広報し、常に門戸を開けておくようにしておく。というアドバイスを頂きました。)

■先程の画像にもあった質問「パナソニックの中のモンスターはなんでしたか?」

こうして可視化して気づいたけど、意外と自分の中に壁を作っていた。こういう思いを持っているんだなと言うのが出てくる。その思いを発現する勇気が必要。言ってくれないとわからない。慮ってくれない。

■情熱のある人を見つけるために何をしているか?
あの手この手(笑)これこそ、心理的安全性かもしれない。やりたいと思っていても「やったところで…」と思ってくすぶっている人が絶対いるので、そういう人に耳を傾ける。

 

■上司に言ってもはねのけられてしまう

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組織開発で当たり前のことだが、それぞれの人が、それぞれの立場からの意見を持っている、ということを認識する。
こう言われて、「この人は変えたくないと思っている幹部だ!」と思ってしまったらそこで終わってしまう。その人たちは何を大事にしているんだろう?という視点を持って、一方で私たちは何を大事にしているのか、ということを突き合わせていく。

また、許すことも大事。「これをされたからこの人はダメ」「年寄りはあかんわー!!」って終わらせない。向き合うことで建設的な話ができる。

上の人が持っている情報と下の人が持っている情報が違うのは当たり前。それを隠さず、お互い開示して最適解を見つけていく。一回はねのけられたからと自分の意見を隠したりするとコミュニケーションが複雑になる。

 

有意義なワークショップでした。組織の成功循環モデルの話、組織開発の取り組み方(スタンスや社内での広げ方、まず可視化することの大事さ)を学ぶことができました。社内での協力の募り方が特に参考になったなぁ。情熱を持っている人をまず巻き込んでいって、情報を公開しながら楽しくやっていく。ただワークするんじゃなくて目的を明確に持って発信することで納得感を持たせること。今自分も社内で広げたい取り組みがあるので、後押しされた感じでした。

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ブースを回ったりしたよ

トークセッションは時間の都合上2つしか参加できませんでしたが、サイボウズデイズは協力企業さんのブースが出たり、グッズ販売等のブースがあります。サイボウズデイズタオルや積み木やポーチやお弁当箱売ってるのまじでよくわかんないけど楽しそうだからいいよね…。

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副社長の山田理さん自ら店頭に立ってらっしゃったので、サイン入り著書を購入…写真も撮ってもらいました。ミーハーか。「オサムさん!オサムさん!」って声かけたら「知られている…!」とおっしゃっていました。うひひ。ファンミーティング行きたかったな…来年はもっと浸りたい。

 ↓読みました。

 

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各企業ブースではパンフやノベルティをめちゃめちゃ配っています。フリーさんはふりかけをくれました。上場おめでとうございます。

新規上場承認に関するお知らせ | プレスリリース | freee株式会社

 

サイボウズデイズ、事前申込みで個人情報(企業の情報・メルマガ)を登録して、入館証を発行するのですが、そこに付いているQRコードを受付や企業ブースでの読み取り機で読み取るスマートな入館管理をされていて、うやうやしく名刺を入館確認代わりに使うイベントとは違うよな~と思わされる。ノベルティをもらうたびにQRコード読み取られ企業のメルマガ対象になるわけです。(言い方)

 

最後に、アンケートに答えるとサイボウズノベルティがもらえました。モンスターへの挑戦状ということで、冒険に出るための道具セット。

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マッチ、ペンライト、絆創膏が巾着に入っています。このへんの本気度がすごいよね。入館証ぶら下げるストラップも、他のライブとかで使えるし便利。会社のIDカード吊るすストラップにも使いたい。

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ペンライト、よくできてる…。

 

今年も参加してよかったです。こういうイベントはあれだ。受け身で終わったら本当にもったいないので、質問できるときはする!登壇者見つけたら話しかけてみる!得たものを自分の言葉や考え方として噛み砕き直して、言葉にしてみる!というのが大事ですね。

来年はファンミーティングや、もっと多くのトークセッションに参加したいと思います。あとサイボウズ式のイベントにも絶対行くぞ…!!