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出会う就活生の5人に2人くらいがPRしてくる「チームのピンチを解決」エピソードについて

働き始めてそれなりになるが、新卒採用に関わることがそれなりにある。

面接等で選考フローに関わることもあれば、担当として応募者対応のみに徹することもあった。リーマン・ショック後の就職氷河期の時代から、選考期間の変更や売り手市場への転換など、様々な変化はあったが、関わり始めた当初から今に至るまでよく出会うのは

サークルや部活やバイト先で、みんなの不和やピンチに対してヒアリングを実施し、みんなをまとめ上げ、なんらかの実績を残した。

 

…ということを「学生時代がんばったこと」としてPRしてくる学生だ。

 

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 その経験自体は否定しないし、話の組み立て方や、がんばったポイントによっては個性が出ていていいのだけれど、型にはまった受け答えのようにこの手のエピソードが頻発すると、世の中にはどれだけ不和な団体があり、その学生一人の調整能力によって救われ、なんらかの良い結果が生まれるエピソードがあるのだろうと思わざるを得なくなる。

マニュアル本にでも書いてあるのだろう。壁にぶち当たったけどコミュ力で解決したPDCAを語るフレームワークでもあるんじゃないか?ってくらい出会う。余談ながら副キャプテンや副リーダーもたくさん見かける。

 

これが事実であり、「学生時代頑張ったことの最たること」なのであればまぁいいんだけど、新卒市場という場で、企業への選考でアピールする内容としてふさわしいのか?というとどうだろう。

もちろん企業の業種や規模、求める人物像等によってはバチンと当てはまることもあるだろう。…うーん。でも、深掘りしていくと「みんなの意見を聞いてまとめることを工夫しました」とか、それくらいしか出てこない子が多いのも事実。

同じこと言うとるやんけ。ほんま君一人の頑張りの結果で不和がよくなって、輝かしいゴールになったんか?と思わなくもない。もちろん危機感を持って何か行動したあなたは立派である。しかし一方で周りの子達も何かしらの工夫をしているんだと思うんだけど…。

やっぱり、「自分で考えて」「なにかに取り組んだ」話が聞いてみたいよなぁー。「不和を改善しました!」ってのも、その結果が○○入賞とかバイト先の売上目標大幅達成!とか、功績と結果の間ですっぽ抜けた具体的な話をこっちが深掘りして聞いていかなきゃいけないのもなぁ。(稀にそこをすごいロジカルに語る子がいて、いやそれめちゃめちゃすごいな!と思うことはある)

 

ここまで書いていて、その子のがんばったことの深掘りがうまくできていないのでは?と思うこともある。選考に携わらず、学生との対応係として動機づけ要員としていた時期も長かったから、そこを深掘りできる機会もまぁまぁなかったなぁ…。

 

面接の場に立ったときは、工夫の仕方や、それが良いと思った理由など、行動のバックグラウンドを聞きたいなぁと思うし、なんならそのプロセスで気づいたことや、自分の行動自体を見直したことなども聞いてみたい。

選考において、私は純粋にそのエピソードを聞いてみたいし、語るその子を見てみたいと思っている。これは、私が転職活動をしている際に、聞かれていて「ああ、私自身をちゃんと見てもらえているんだな」と実感してよかった経験が元にもなっている。面接だろうとただの会話だろうと、自分の話に興味を持ってもらえることは嬉しい。

 

そういう個性を引き出す面接ができたらいいんだろうなぁと思う。そのうえで、うちの会社が求めている人物像のものさしを当て、かつそこに乗っかるよう引っ張る動機づけが必要なんだろうな。