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UNDERTALEの世界に対してできたこと、できなかったこと。【ネタバレ】


この記事ではUNDERTALEをクリアした筆者の感想めいたものが綴られています。
初見でやるからこそ味わえる要素を削いでしまう可能性があるので、未プレイの方は是非一度遊んでみてから読んでください。

 

現在PC、PS4(vitaも?)、Nintendo Switchで遊ぶことができます。

私が遊んだのはスイッチ版です。


未プレイの方に申し上げますと、これはすごい作品でした。話題になったタイミングからすれば完全に遅いんですけど、いやだってスイッチで出たのが最近だし…。

純粋に物語にのめりこみ、楽しみ、興奮し、感動し、心揺さぶられた一作です。
愛着がめちゃめちゃ湧いた作品となりました。忘れられないプレイ体験でした。


一周目はお嫁さんがプレーしているのを一緒に見ていて
二周目を自分が変わってプレーした、という構図です。
三周目については…。記事の中で触れていきます。

 

「初見の人はネタバレを見ずやってほしい」という気持ちがよくわかる。

同時に、その経験を味わえることを羨ましく思います。

 

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ゲームや小説、アニメ、漫画などを味わっているとき、ふと「このキャラクターたちは生きている」「彼ら彼女らが活きる世界がある」と感じたことはないでしょうか。

「作品としては完結したけど、彼ら彼女らの世界には続きがある」とか「描かれていないところで、彼ら彼女らはこんな生活をしているんじゃないか」と妄想したことはないでしょうか。

そう思わせることは、作者がその世界観の一部を切り取って我々に見せている、といった完成度が成せる業なのかもしれません。時々作家さんが「登場人物が勝手に動き出す」と表現することがありますね。


愛着を持てば持つほど、思い入れがあればあるほど、そのような気持ちが芽生えるのではないかと思います。
たとえば、最近プレイしたゲームの「オクトパストラベラー」では、主人公同士のこれからについて思いを馳せたり、小説「ペンギン・ハイウェイ」ではアオヤマくんの今後のことを思って感極まったり…。(なぜ私達はその続きを拝むことができないのか。それが作品という箱の中にあるということ…。)


UNDERTALEもまた、世界の中でキャラクターが生きていることを感じさせられる作品でした。プレイヤーである私は、立ちはだかる相手に刃を向けるか、和睦の道を探すかの多くの選択を迫られました。

特に初回プレイ時、最初に立ちはだかる敵味方どちらか判断がつかないトリエルに刃を向けたことを、お嫁さんと二人で「どうにかならなかったのだろうか」と心を痛めながら先に進み、待ち受けているサンズのフォントとテンションの差に驚いたりしたのは良い思い出です。

初見プレイヤーの心を惑わせるには十分すぎる演出に思う。(2周目は2周目で、このゲームの仕組みにぞっとする展開もあったわけですが)

 

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(関係ないけどテミー好きすぎる)


1周目ではアンダインを倒し、(どうしたらいいかわからなかった)アンダイン亡き世界で、それを知らずにいるパピルスアルフィーに心が締め付けられたりもしました。そしてニューホームにたどり着いたときに知るトリエルの正体。サンズから明かされるEXP、LVの意味。アズゴア戦の演出のかっこよさと、最後に「また選ばせるのか!!」と愕然とする展開と、見逃した後に訪れるカオス。

 

2周目を促されて進めると、2周目ならではといえる要素に驚きました。トリエルに「あなたが死んだところを見た」と言いそうになる主人公、既視感を覚えているサンズ…。

 

誰も死ななくてもいい平和な展開を進めていくと、よりいっそうの愛着が湧きます。ズッともになったアンダイン。

 

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アンダインとパピルスの仲良し展開を見るだけでうれしくなる。アルフィーとのデートイベントは声を出して笑ってしまった。アズゴア戦後の展開はまさに胸アツ。王道的な「みんなのパワー」展開は、それこそ1周目では成し遂げられなかったからこその、なんとか平和的解決を模索し友好を築いてきたからこその感動がありました。

 

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そこで決断が迫られる3周目。
2周目を平和的解決…いわゆるPルートと呼ばれる道で終えた私が、ゲームを起動した際に待ち受けていたのは、フラウィ…アズリエルでした。
みんなが幸せになったこの現実を消す唯一の脅威。それはプレイヤー。
このデータをリセットして、新たに始めることができる唯一の存在。

不運にも(?)私は、もう一つのルートがある、という情報を得てしまっていました。
Gルート…殺戮の限りを尽くすルートのことを。
情報だけのそれは、なんと魅力的に見えるでしょう。「サンズと戦う」「BGMがすごい」そして、これまでとまた違う結末が待っているという事実。ゲームをリセットする背中を押すには十分でした。

 

 


しかし。

しかし、私には完遂できませんでした。
漠然とした知識で進めるも、きっとこのルートじゃないんだろうなという手ごたえ。(各エリアのモンスターを狩りつくす、なんてどうやったら自然発生的に気づけるんでしょう)

これはルート的に満たせてないな?と思って少し調べてみましたが、その行動もこのゲームには見透かされているようで。

 (虐殺なんてとんでもねぇけど、自分でやらずに見ているだけのやつよりマシだぜ的発言がある)

 

そう。全員倒して…全員殺した先にあるルートがある。それを実行するのも酷い話だが、「その結果が見たいがために、プレイ動画や記事を調べる」のも、また酷い話。

 

恐ろしいのは、虐殺ルートを一度でも完遂したあとは、どうやっても平和的ルートのエンディングが完全なものにならないということ。

「あなたは一度それを選択したんでしょ?」と突きつけられる。

 

これはこのシステムの究極の姿ですが、それ以前にも、一度選択したあとは戻れない。セーブ・ロード的な意味でリセットしても、それを「選択した」ことは消えない。(メタ的にリセットを指摘される要素がある。トリエルを死なせてしまった後リセットして生存ルートにしても、フラウィにそれを指摘されるんですね。)

 

彼ら彼女らはゲームの中で生きていて、プレイヤーの選択によって何かが変わり、プレイヤーのリセットによってまた元に戻される。サンズはそれをなんとなく察していて、何をしても勝手に繰り返される事象に諦めを持っている。(ということも、調べてしまった結果知ったんですけどね…)

 

話を少し戻しますが、結局私はGルートができませんでした。

めちゃくちゃ愛着が湧いてしまったので、またPルートをやって、もっともっと隠された要素を見ていきたいとは思います。

 

…しかし、「気になって」「出来心で」覗いてみた結果、Gルートを選んだ場合に彼ら彼女らの世界がどうなってしまうのか。どんな結末が待ち、どんな後味が悪い結果になってしまうのかを知ってしまい、リアルに数日引きずりました。彼ら彼女らが全滅した場合なんて考えんでよかったよ。

 

でも、それもこれも、「知りたい」と思った自分の、取り返しのつかない選択なんですよね。 

 

ゲームであることの作りがこう使われるの、よう考えるなあ。

 

 

※めちゃくちゃ暗い書き方ですが、ゲームを遊ぶ、その世界を楽しむという意味で、戦闘システムのあり方やギミックの数々、BGM、キャラクター、テキスト、全てが楽しくて、わくわくしながら楽しめました。

 

 

※「選択」という意味では、ps4のDetroit become humanも似たような感じかもしれません。しかしこれは、ストーリー分岐を可視化し、「違う選択をした」ルートも割とすぐ触れるっぽくて、これはこれで選択で世界線が変わる物語の奥深さを楽しむ前提なのでその見せ方がおもしろいなぁと。

(とてもやりたいけどps4が無い…)