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「年末調整」はゲームっぽい! 担当者として年末調整計算を経験してわかった年末調整の仕組み

今の時期、保険会社からもハガキが届いたり、会社から長ったるい名前の書類記入を依頼されているのではないかと思います。

なんなんでしょうね、あの「扶養控除等(異動)申告書」とか「保険料控除申告書 兼 給与所得者の配偶者特別控除申告書」とか。長い長い。

そもそも「年末調整ってなんぞや」ということ、どういう仕組で何をやっているのか??って、働いてる側…特に若手社員の方々はよくわかってないんじゃないかと思います。

かくいう私も、一会社員として申告しているときはよくわかっていませんでした。

縁あり昨年年末調整を初めてやる側となり、社員のみなさんの年末調整を実際に計算したことで、「あ、これなんかゲームっぽいな!」と分解できましたので、そのあたりについて書いてみることにしました。

 

予めお詫びしておきますが、ゲームっぽい!とか言っていながら、ゲームっぽいと表するには不適切かもしれない…と思う部分もあります。障がいの有無に対して適用される控除など。あくまで全体の仕組みを分解するための表現、ということでご了承いただければと思います。

あと、この記事は2016年時点での所得税関係の法令に則って書いています。あと、源泉とか難しい言葉はあえて使わないようにしています・・単なる私のミスかもしれないけれど…

 

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 年末調整って何をやっているのか

まず大前提として、年末調整は何をしているのか、ということです。一言で言えば、所得税の精算」です。所得税とは、大雑把に言うと、「稼いだ収入に対してかかってくる税金」ですね。

【この1年、給与・賞与から引かれている所得税【あなたが本当に払うべきだった今年の所得税との差額を精算するのが年末調整です。

給与や賞与から引かれている所得税は概算である

概算という言い方が正しいかはともかくとして、その人の扶養(後述)の状況とかで計算をして毎月計算しています。賞与なんて概算も良いところで、「前月の給与」を元にしたりして計算しているので、割とざっくりしています。

年間の所得税は、1年トータルの収入から決める

1月から12月を経て、給与や賞与の総額がわかります。そのトータル金額に対して所得税を計算していきます。

毎月ちまちましないで、まとめてそうしろやーい!って感じですが、年末にいきなり「はい、ウン百万払ってね!」はキツいので毎月ちまちまやっています。(法律とかで決められてるんですけどね)
所得税の計算・精算はゲームっぽい

最初に挙げたゲームっぽい要素はここからです。まず年間の所得税ってどう決まるかについて。

「トータルの収入」から「課税しなくても良い要素」を引いて【所得】を出します。そこから様々な条件で差し引かれる【控除】が発生するので、【所得】から【控除】を引きます。残った金額が【課税対象額】で、その額に応じて何%、とかで出すのが所得税です。

 

ダメージ計算 と置き換えるとすごくわかりやすいです。

ボスのHP(所得)を目の前に、いろんなスキルを駆使して我々の攻撃力を高めダメージを与える。足りなかった分に対して決まった計算をして導き出されるのが所得税 です!(雑な説明)

 

①まず年間の収入を見ます。

②交通費など課税の対象にならない要素もあるので、そこは省きます。

③こうして導き出されるのがボスのHPとします。

 

一方、これに対してその人の境遇を元に力を発動させていきます。スキルとかアビリティとか、補助魔法みたいなイメージです。

書ききれないほど色々在るので、全ては割愛します。これは計算するための記事じゃない。

社会保険料控除】

給与や賞与から引かれていた社会保険料の分がそっくりそのまま力になります。社会保険料とは、健康保険料だの厚生年金保険料だののことです。

【基本控除】

自分ひとりに対して38万のダメージ補正が付きます。

これはみなさんすべからく付きます。

【扶養控除】

扶養している家族がいると、その分だけさらに補正が付きます。

【生命保険・地震保険控除】

生命保険料とかを払っていると、金額に応じてある程度の補正が付きます。

 他にもいろいろありますが、メインは以上3点かな。これらの補正値を合計したものを我々の攻撃力とし、ボスのHPと差し引きをします。

残ったHPの量に応じて、何%とかの掛け算をして算出されるのが、その人の所得税です。ボス倒せてへんやないか。

 

で、毎月給与から引かれたり、賞与から引かれた所得税の総額と見比べて、払いすぎてたら戻ってくるし、足りなかったらその分納める。そういう処理をします。

エクストラボーナス 住宅ローン控除

様々な「控除」は、所得税の最終計算の基礎となる部分を出すために使われましたが、「住宅ローン控除」は別物です。実際は住宅ローン以外にもいろいろあるんですけど、会社でやる処理については主にこれくらいなので…

住宅ローン控除は、家を買ったりリフォームしたりするときにローンを組んでいた場合、発動するスキルです。ざっくりいうと、ローンの残高の1%がその力になります。最大40万で、10年間有効。

そのスキルの効力は、なんと「最終的に算出された所得税から「更に控除」するもの。なので、所得税が0になる、ということもあります。1年間で払った所得税がそっくりそのまま帰ってくるなんてことも。

プラスアルファの話になりますが、ここで計算された最終的な所得税は、次年度の住民税にもかかってくるので、住民税が減ったりもします。住宅ローンのちからって すげー!

 

…だいたい説明は以上です。誰か図解してください。

 

年間の収入に対して、自分のステータスに応じて「控除」のパワーを蓄え、税金と戦っていくようなイメージ。

毎年書かされている「なんとか申告書」っていうのは、「私の持ちスキルはこれ!」と証明するようなものなんですね。

生命保険の控除とか、ハガキに書いてある金額がそっくりそのまま返金されるのか〜なんて思っていたこともありましたが、ちょっと計算の過程では違う、なんてことがわかりました。

 

あくまで年末調整は「主たる給料収入がある」会社でやる処理ですので、副収入があったり、会社以外の稼ぎがある場合は、それを合算して再度計算をすることになります。それが「確定申告」です。これもよく聞くけどよくわからないやつかとは思いますが、仕組みは似ていますね。

 

社保上の扶養と、所得税での扶養の違いもわからない、一会社員でしたが、こっち側の事務をいろいろ担当としてやっていると、わかってくることが増えてきています。

ある程度わかってきているつもりなので、何か取り扱ってほしいテーマがありましたら、書いていこうかとは思います。