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サイボウズの株主総会を視聴した感想 #株主会議2020

昨日開催されたサイボウズ株主総会、「株主会議2020」を視聴しました。ツイッターで実況をしていましたが、感想を少しまとめてみたいと思います。

 

なお、当日は私も実況チックなことをしていたので一部そのツイートも出しますが、情報の歯抜けもありますし、事実だけでなく私の解釈も含まれているため、株主総会としてのオフィシャルな情報や、質疑応答の正確な内容は、後日アップされるであろう情報をご確認ください。

[3/31追記 動画アーカイブが公開されていました。]


サイボウズ 株主会議2020 第23回定時株主総会

 

 

運営について

監査役執行役員はリモート参加。この形式でやると決めたのはほんの数日前だったようですが(!)普段の会議もオンライン参加がありきでやっているんだろうなと思わせるスムーズな進行でした。そもそも株主用のクローズな配信にする予定だったところ、このようなオープンな形になったのも直前だったようで驚きです。

取締役や監査役の挨拶まであるのはとても良かったですね。自書の宣伝を盛り込んでくるOSAMUさん、Zoomの背景を宇宙にした監査役…笑、サイボウズパーカーをせっかく用意したんだから着るよ!という意気込まれていた監査役にはニコニコしてしまいました。

質疑応答では青野社長が株主から…そして一般の方から(!)集まった質問を読み上げ、ご自身で回答したり担当役員に振ったりとチャキチャキさばいていたのが印象的でした。この回答がオープンであることが重要で、サイボウズ社員も「どんな回答してるんやろなぁ~」と見たりしていたんでしょうね。ツイッターで実況されている方もいらっしゃいました。

普段の会議から「どう回答したのか」もオープンになっていることで、回答者は迂闊なことを言えないし隠せないし、何か違和感あれば社内でツッコミが入ったりするんだろうなぁと思いながら見ていました。これは株主総会という場ですが、普段も経営会議に社員も参加できるというサイボウズならではという感じ。

質疑応答の回答パートで登場した大槻さんも実況していて、何がどうなっているんだと笑ってしまった。

株主からの質問は事前から受け付けていたので、ある程度回答案を議論していたでしょうけど、一般の方からの質問はそれこそ直前まであったでしょうし、来ていた質問選りすぐらず全部回答し切ったのは驚きました。質疑応答なんてちょろっとしかできないもんじゃないのか…。 

質疑応答

 いくつか印象的だった質疑応答を。利益についてや業績見通しについて等の質問もいろいろありましたが、コロナ対応に絡んだ質問が多かった気がする。

最初は試行錯誤で在宅勤務を進めたりして、次に業務の見直し、仕事の見直しと言った根本的なところを考えるフェーズに移る企業が出てくる。今回の件でいろいろ試しているけど、それを機に気づいた業務遂行の問題や課題が見つかってくるのだと思います。

これは以前読んだ記事でも言及されていて、とても共感しているポイントです。

コロナウイルスの感染防止策として緊急導入したリモートワークですが、本質的な働き方の変革と生産性の劇的な向上の可能性というチャンスをもたらしてくれた。この事実に賢明な経営者は既に気づいているでしょうし、今まさに急いで準備を整えている最中なのではないでしょうか。

[議論]新型コロナでリモートワーク急拡大、でも少し変じゃない?:日経ビジネス電子版

「コロナに対しての臨時的措置」としてリモートワークの解禁や業務の進め方を試行錯誤していくと、元に戻るのが悪手にもなり得る。働き方の"思い込み"が少しずつ変わってくる。「同じ場所でみんなで」の当たり前が変わって来たとき、制度と風土とツールによって、場所も時間も違っても働ける環境を作ったサイボウズが培ってきたノウハウや考え方、チームで働く上での心がけは参考になることがたくさんあります。もちろん、チームワークをより良くするための情報共有、それを可能にするサイボウズ製品…という流れもあります。これからの働き方は圧倒的にチーム戦が求められてくる。

 

現在(郵便等物理的に必要なコト以外は)原則在宅勤務としているサイボウズ。出社とは何か、オフィスの存在意義は何か。リモートが進むことでリアルなコミュニケーションだからこそできることやその価値も同時に明らかになってきているのだと思います。多様な個性を活かすことを考えているサイボウズ、多様なコミュニケーションのあり方についても、優劣だったり偏りだったりではなく、それぞれの良さをどう活かすのかというベクトルで考えていますね。

オフィスの回答も採用計画の回答も中根さんでしたが、アナウンサーのようなキビキビ回答っぷり、つい聞き入ってしまう。採用についても今回やり方についての模索が続きますね。オンラインだと物理的に参加できかった方々が参加できるようになるメリットもあるし、一方で母集団を創るというフェーズではオンラインだけだと厳しいなぁとも思っている。これも今後どうオンラインとリアルコミュニケーションを組み合わせていくかということなのでしょう。「制限があるリモートを、今回だけやむを得ず!」にせず、今回リモートで感じた良さと物足りなさをどう活かし補うのかといった取り組みが加速していくんじゃないかな。

 青野社長より

事業説明の中で出てきたフレーズです。サイボウズは様々な公演やメディア取材、書籍において自社のノウハウを公開しているが、そこには必ず理想と現実の差を捉え、課題設定を行ってアクションしてきたプロセスも紹介している。どの会社も100人100通りの人事制度をしなさいよ、ということじゃない。サイボウズはこう考えた結果こうなったんだということがオープンになっている。

サイボウズのような風土は良いな」と感じた企業が、その担当者が、そっくりその制度を真似るのではなく、自社に適した形でそれを実現できるよう行動することを思っているだろう。それを支援するのがチームワーク総研の取り組みなのだとも理解している。

 

 質疑応答の中にもあった企業理念について、最後に青野社長から改めて話がありました。『チームワークあふれる社会を創る』ために企業活動を行っているが、今後は株主とも一緒に企業理念についても対話していきたいということでした。

"株主のから騒ぎ"など開催し、株主と直接対話する機会を設けているサイボウズ。企業理念、…掲げるべき理想という重要なテーマについても対話し、共に企業活動をおこなっていきたいという姿勢は、…なんでしょうね、言葉にするのは難しいけど、ただ注目される企業というだけでなく、応援したくなったりするんだよなぁ。

 

 株主総会のあり方、役員の方々の発言内容、出演の仕方(!)それぞれにサイボウズの良さが現れていたと思います。どれもこれも、チームワークあふれる社会を創るという理念のもと、情報共有の徹底・公明正大・説明責任/質問責任の文化が根付いているからだというのがよくわかりました。

 

こうして、サイボウズで働きたいと言う思いが一層強まったのでした。数年前は「ええ環境やなー働きたいなー」だったけど、理念への共感が深まり、やりたいことと結びついてきた。

 

 

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