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【21卒就活に向けて】業界のご近所さんも調べる業界研究と、壁当てする自己分析のすゝめ。

先日、就活のイベントに企業側として参加して、学生や他企業の担当さんとお話をしてきました。就活についてリアルな悩みだとか違和感とかを聞くことができて、非常に有意義な時間でした。採用担当をしたり、人事をしたり、転職をしたり、昨今の「働くこと」に対しての多様化やその情報を色々キャッチしていると、今の就活について思うことも変わってきています。

自分の反省でもあるんだけど、就活の時期になってよーいドンで就職を考え始めても、大海の中で佇んでしまいがちなんですよね。リクナビマイナビに登録だー!ってなってから考えても膨大な情報の中で迷子になってしまい、慌ててしまう。「自分のやりたいこと」ってなんじゃらほい。と途方に暮れる。そんな学生を今でも採用側としてよく見ます。

別に就活始まる前からギラギラと将来のことを考えなさいと言うわけではありません。ただ、大学→就活→就職みたいな明確な時期のステップで考えがちだけど、実際っていろいろシームレスに繋がっているよねと伝えたい。シームレスに繋がるというのは、未来のことではなく過去ともつながっているということ。

いきなり「仕事として」やりたいことを考えても、ぱっと思いつかない人は多いけど、今までの自分を作り上げてきたものの中に、なにか「自分がやりたいからやってきたこと」というのはきっとあるんですよ。

もちろん、やりたいことが明確で、それに向かって猪突猛進に学業やサークルやインターンやらの経験を積み上げてまっすぐ進めていく子もいるだろうと思います。そういう人を見るとまた焦ってしまう私みたいな凡人もいるわけで。

…とまぁ、自分もそういう経験をしてきて、今は採用側として客観的にそういう子たちを見たり、おもしろいなぁと思う学生や同僚を見て思うことから考えることをまとめてみます。自己分析とか、業界分析って、実際どうしたらいいんだろう。どうやったらおもしろいんだろうなぁということ。

 

そしてこれ、一番重要なのは、求職者に「こういうのをがんばれー」ってことだけじゃなくて、採用する側も、もっと情報発信がんばらんかい!ということでもある。企業も企業で、「さぁ採用だ!」っていろんな情報を公開するけど、それ以外の情報は株主向けだったり自己満足のお固いホームページだったりして読む気がぜーーーーんぜん起きない内容だったりする。

常から企業の取り組みとか、そこで働く人のコトとか、もっと発信したほうがいいよねぇ。と思っているわけです。それはこれから入るかもしれない人の為だけではなく、今働いている人にも、取引先の人にも影響を与えていきます。情報をオープンにすることで、新たな情報が入ったり、関係性ができたり、ファンができたりするということは、企業運営においてすごく大事なことなんじゃないかと思うのです。

そのあたりの情報発信は最近増えてきていて、サイボウズ式がいい例です。採用試験を受ける段階で、もういろいろ会社のカルチャーについて学べている段階にある。それを理解した上で受けに来る子達がいる。ミスマッチを減らすことにも大いに役立っていると思います。受けに来ない子達にも、何かしら将来的に取引相手になったり、いい影響があるように思うのですよね。

cybozushiki.cybozu.co.jp

 前置きが長くなりました。本記事は、自己分析とか業界研究どうしたらいいの?なんなの?ということを考えるヒントになればいいなぁと思います。

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業界研究

その事業をするために何が行われているのか

やりたいことがわからない、興味あることがわからない、と相談されても「あなたのことはわからないよ」と思うのですが、自分だけを見つめてもわからない場合は、なにか外に基準を設けてみると良いと思います。

就活で企業を見る際にやりがちなのが、その会社の事業内容=みんなそれをしている だと思ってしまうこと。食品メーカーが全員食品を作っているわけでは無いのです。

例えば以下の図。

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食品メーカーが作った商品が私達の手元に届くまでに、まぁいろんなことが行われているわけです。その商品の企画をする人、パッケージ等考える人、モノを作る人、物流考える人、お店に出す人、生活者に情報を届けるべく頑張る人、その他色々。

これらの「役割」みたいなのを考えて、今までの自分の経験や好み、興味関心と紐付けてみて「興味ありそうなのはコレ…?」「これは違う…」というのを照らし合わせてみたら良いと思うのです。

これは業界とか全然絞れていない人にも向いているやり方だし、志望業界が決まってる人も、一度その業界を客観視して考えることで「その中でも何が興味あるんだろう」と見つめ直すことができます。これは、志望動機を言語化するのに役立つのではないかと。

まず何かしら自分がお世話になったり、興味がある、親が務めている…などで接点がある業界から調べてみると良いのではないでしょうか。

その事業が世の中でどう繋がっているのか

その業界・会社の中ではどんな役割があるんだろう…というのを見たら、今後はその業界の周囲に目を向けてみましょう。業界の中でのかかわり合いや、仕組みの流れを見ることで、「あ、そう言う関わり方もいいよね~」となるかもしれません。この業界のお客さんは何か、この業界"が"お客さんになるのはどこか。

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先程例に上げた食品メーカーも、こんな例だけじゃ収まらないくらい色々な業界と繋がっています。そういったつながりを見ていく中で、自分の興味とまたキャッチボールしてみると良いのではないでしょうか。

志望業界が決まっている人も、実はそれってその会社じゃなくて、お隣の業界の会社の方が向いている…なんてこともあるかもしれませんし、その業界に興味があるからって、その業界しか調べないのはもったいないし、周りを見て「ビジネスの仕組み」を知っていくことは就活だけじゃなく、その後働いていく上で重要なアンテナになります。

 

私は今広告業界にいるのですが、「広告を希望しています!」という子にはぜひ広告業界以外のこともウォッチしてほしいと伝えています。

広告業界はお客様が様々な業界に渡る理由が一番大きいですが、その他にも広告業でやりたいことは、広告会社じゃなくてもできる可能性が大いにあるからです。クリエイターなら制作会社だったり、企画だったらプランニングに特化した会社だったり、プロダクト開発ならメーカーだったり…。その業界だけじゃなく、その業界のお客さんや、その業界と関わりがある業界を見ることで新しい発見がきっとあります。繰り返しになりますが、就活の時期だけでなく、今後働いていく上でもこの視点は役に立つと思います。

好きなことからつなげてみよう

今までは会社や業界スタートで考えてみましたが、興味あるモノ起点で始めるのも良いでしょう。例えば、車が好きで、車に関わる仕事がしたい!と思っている方の場合。

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私の貧相な頭でパッと思いついたのがこれだけで恥ずかしいですが、まぁ車に関わる仕事なんてめちゃくちゃあるわけですよね。自分の興味関心は、車の何なんだろう。自分が運転するのか、作るのか、乗る楽しみを広めるなのか、もっと安全にしたいなのか……はたまた、実は移動が好きなだけで、車じゃなくて二輪でも似たようなことが言えるなとか色々発見がある…かもしれませんね。

真ん中に置くものは、物でもいいし、コトでもいいし、サービスでも、解決したい問題とかでも良い気がする。旅行を真ん中において、それにまつわる色々を考えてみたり、『働くこと』を真ん中において、働く人に向けたアレコレや、企業が働く人に対してどんなことをしているのかを考えてみても良い。モノだけじゃなく、ウェブサービスやプロダクト、『仕組み』を売りにするビジネスもどんどん増えてきています。

私の悪かった例ですが、英文学科で英語を(それなりに)得意としていた当時、英語を使う職を考えたときに、なーーーーんにも考えていない貧相な頭だったので、英語教師とか通訳とかの『専門職』しか浮かばなかったんですよね。で、「それはないわー」と諦め、特にリーマンショック時期だったので英語にこだわらないでいたのですが、英語を使うなんて『専門職』じゃなくて、普通の企業活動の中にも死ぬほどあるわけですよね。そのあたり柔軟に考えられて新卒就活考えたらまた違ったなー、なんて思うこともあります。

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やりたいことは壁当てして見つけていく

自分で選んでやってきたことや、興味を持ってきたこと、なんか好きなこと、…それらは千差万別で、自分の中では特筆すべきではないようなことでも、それが個性だったりするわけです。

 自分が「普通」だと思っていることは案外「その人らしさ」だったりするのよ でも自分にとっての「普通」はみんなにとっても「普通」だと思っちゃうから一人でソレに気づけないのよ ブルーピリオド5巻 19筆目「らしくねーよ」より

自分が内側から生まれてくる感覚の追体験。"気づき"はドラマチックだ。ブルーピリオドを6巻まで読んだ感想 - DegoReco

 自分で自分を見つめていても気づきにくいのであれば、他の何かとぶつけてみるのが手っ取り早い。上記で挙げたようなやり方で、会社とか、仕事の仕方とか、業界とかを見て、自分の興味が結びついたり、これはいいなと思ったり、これは無いなと思ったりしていく中で、見つけていけたらラッキーです。良いなと思った要素があるなら、今度はそれを目印にしながら、他の業界や会社を見てみる。

私の場合、日々の生活やアルバイトをする中で「お客さんに喜んでもらえる」「役に立つ」ことが自分のやりがいだなぁと思っていました。それを軸に就活を考えると――誰かの役に立つということは、どの会社でも言えることではあるので――「喜んでくれる相手」を考えて企業・業界を見て、ピンと来るところを探していました。

採用担当として、学生と話していて自己分析とか業界研究とかについて思ったことはこんな感じです。自社の採用そっちのけで、こういった相談にのったりすることもある。その子の個性とか、やりたいこととか、新たな発見を一緒に見つけられたときってめちゃくちゃ楽しいんですよね…。(公私混合)

エントリーシートの書き方良し悪し以前に、こういったことから人に話して見るといいかもしれませんね。