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【イベントレポ】『僕らにとって自由とはなんだ Nothing's Carved In Stone』刊行記念 ■ 宮下奈都さん×堀田芳香さんトーク&サイン会 ■

去る2016年10月15日 紀伊國屋書店グランフロント大阪店にて開催された、標題のイベントに参加してきました。

 


申し訳ないことに、ナッシングスについての知識は薄く、曲も聞いたことがない中で、宮下さんが好きだ好きだと語っていること、今作で文を担当している、ということからナッシングスを知ったような私ではありますが、宮下さんがいかに語ってくれるのか、を聞きたいという思いから参加してきました。

 

今回はそのイベントレポートを記していきます。

 

 紀伊國屋書店グランフロント店の一角で行われたこのイベント。集まったお客さんは40名弱くらい。ナッシングスファンの方もいれば、私のように宮下さんファンとして参加されている方もいらっしゃいました。

内容は、ナッシングスの写真を担当としてきたフォトグラファー、堀田芳佳さんと宮下奈都さんのトーク(ナッシングスメンバーによるビデオメッセージ上映それぞれに対してのコメント)、写真集未収録の写真紹介と、質疑応答でした。

 

お二人は学生時代の同級生。時折見せる二人の掛け合いは、旧来の友のそれが出ていて、見ていて微笑ましかったです。

1.トークイベント

■今作の経緯

ミュージシャンの撮影で活躍していた堀田さんが、宮下さんをナッシングスのライブに誘ったのをきっかけに、宮下さんもファンとなり、二人で盛り上がりに盛り上がり、事務所へ直提案をして、今作のような写真集ができあがったと言います。行動力たるや。最初は冊子レベルのもの、と考えていたところ、アーティスト側、事務所側から、ちゃんとした本にするという話を頂き、この形になったそうです。

 

■一人ひとりのメッセージ

・最初のメッセージはベースの日向秀和さん。通称ひなっち

「普段聞くことのないバンドメンバーの考え方などが知れたのがよかった」と今作収録のインタビューを振り返っていました。また、普段音楽関係のメディアからの取材ばかりなので、宮下さんのインタビューは受けたことがない角度からの質問が多く、何か再確認できた、とおっしゃっていました。

メッセージを受けて、宮下さんと堀田さんがキャッキャ話す(笑)、というのがこのトークイベントの流れでした。プライベートでも交流のある堀田さんが、ひなっちさんの多趣味さについてや、一緒に登山に行ったこと、ひなっちの指の綺麗さについて宮下さんと盛り上がって以後、堀田さんも撮影の際に指を意識するようになった、などのエピソードが語られました。

・続いてはドラムの大喜多崇規さん。通称オニィ

「(野音の際の)会場の外の風景は普段見ることができないので、お客さんが楽しみにしている様子を(文章から)知ることができたのがよかった」と、今作を振り返ります。ステージから宮下さんに手を振ったのに、肝心の宮下さんが自分に振られたことに気がついていない、という笑い話もありながら(笑)オニィひなっちさんと同じく、普段とは違うジャンルの方からインタビューを受けるのが新鮮だったということをお話されていました。いきなりスティックの話から切り出す宮下さん。

そんなインタビューのことを振り返る宮下さん。「スティックを0.1ミリ削るだけで音が変わる」なんていうことが大好きとのこと。その気持はなんとなくわかる。そういうことを聞いた際、オニィがすごく丁寧に答えてくれたということを嬉しそうに語っていました。

・続いてはギターの生方真一さん。通称ウブさん。

ウブさんも、宮下さんのインタビューが新鮮だった、ということに触れつつ、以前フェイスブックに宮下さんがメンバーそれぞれについてコメントを書いたのを読み、「いつか聞かれてみたい」なんていう思いを抱いたという相思相愛的エピソードも。

インタビューに際して、宮下さんは質問を紙などで用意せず、かつ録音もせず、内容は記憶する、という型破り?なインタビューをされたようです。帰りの新幹線でまとめ上げるすごい記憶力。思わずウブさんも、聞かれていないようなこともすらすら話してくれた…と。初のインタビューが独特の雰囲気を生み出し、思わぬ一面を引き出すことにも成功していることが伺えました。

・最後に、ボーカル、ギターの村松拓さん。通称拓さん。

どちらかと言えば宮下さん、堀田さんについてのお話が多く、お二人の掛け合いを「きゃぴきゃぴした二人」と表していました(笑)。インタビューについては、「僕らにとって自由とはなんだ」ということへの答え。あれはインタビューでぽろっと出たことばを、宮下さんが拾ってくれたとおっしゃっていました。宮下さんがするっと引き出したんだろうなぁー。

バンドには一番後から入った拓さん。時が経つに連れ、どんどんバンドの中でも前に出るようになり、本書でも書かれていますが、仕切るような事が多くなってきているということ。このことに宮下さん、堀田さん両名が触れていました。

 

このあと、写真集未収録の写真を、堀田さんが解説を交えて紹介していました。

 

2.質疑応答

質疑応答は、記録形式にします。

「『最後に誰のファンになるのか楽しみだなぁ』と言われた話が載っていたが、宮下さんは誰のファンなのか」

(宮下さん)ーわからないように書きました(笑)でも文章ではダダ漏れかも。

「歌が上手いとはどういうことと思いますか」(うろ覚え)

(宮下さん)ー合唱をテーマに小説を書いた。その時も思った。

(堀田さん)生き様や魂がのっていることなんじゃないかと。それがないと、心に響かない。

(宮下さん)NHK合唱コンクールを見てきた。いろんな部の寄せ集めみたいなメンバーの合唱もあったんだけど、その自由曲がすごく心に残った。技術じゃないんだと思う。

「インタビューの際気をつけていることは」

(宮下さん)愛をもって聞きたいし、書きたいと思っている。

「メンバーには入れ墨があったりするが、写真撮影の際配慮していることはあるか」

(堀田さん)撮っている人を好きになることを心がけていて、実際好きになっている。失礼にならないと信じて撮影している。「図々しい」 の一歩手前まで踏み込んで撮影ができている。

「このライブでこの曲!という思い出はあるか」

(宮下さん)福井のライブハウスで演奏された「Midnight Train」

(堀田さん)曲を覚えられなくて(笑)以前LUNA SEAの対バンでやっていた時のライブは見ていて楽しかった。対バンは単独でやるときではできないこともできるから、そういった面も是非見て欲しい。

3.サイン会

メンバーのサイン本の抽選会を行った後、宮下さん、堀田さんのサイン会。ファン一人ひとりと会話を交わしつつ、サインをされていました。

 

いいイベントでした!

のほほんとしつつ、同級生二人が、写真家と小説家、違う視点で同じバンドを見ている。同じバンドを好きになり、その愛を語っている。「好きなことを話す」人って魅力的ですよね。共通の「好き」がある二人が楽しそうに語っている姿、それを見守るファン。すごく良い場でした。

 

「好きな仕事ができる ということが、私にとっての自由」

宮下さんが冒頭にそうおっしゃっていて、「ああ、やっぱり私は宮下さんと、宮下さんが書く作品が好きだなぁ」と再度実感することになりました。この人だからこその、本当に愛おしい作品たちだ。言葉だ。

 

 

僕らにとって自由とはなんだ  Nothing's Carved In Stone (リットーミュージック・ムック)

僕らにとって自由とはなんだ Nothing's Carved In Stone (リットーミュージック・ムック)